ギンポとイトヨ

Filed Under (未分類) by suisan on 30-05-2009

ギンポ(スズキ目ニシキギンポ科ニシキギンポ属)5/29撮影。秋田県産、盛岡水産入荷。

北海道南部から高知、九州まで棲息。防波堤のテトラポットや港の中の石の間などに潜んでいる。

潮間帯から水深30m位までも間で生活する。

写真のように細長で左右に平たい。背びれに棘があり、掴むと痛い。顔は愛嬌のある可愛い目でしている。

宮古の海の岩礁域で干潮時、水溜りで手掴みで捕獲し、家で1週間ぐらい飼ったことがある。

酸素と海水の交換だけで、環境に対応できると関心した。死んだとき、小さかった娘に泣かれた記憶がよみがえる。

料理は天ぷらや蒲焼。この平たいギンポを3枚に卸し、小骨が不規則に入っているので骨切りして料理する。

カラット揚げた身は、上品な脂がありとても美味しい。(活ならなお美味しい)

入荷が少ないし、手間がかかり職人が手を出さない。量が取れれば築地に集まる。江戸前天ぷらには高級食材である。

稀に「ギンポの蒲焼」を見ることがある。これも旨い。

 

イトヨ(トゲウオ目トゲウオ科イトヨ属)北海道産、岩手魚類入荷。

北半球の亜寒帯に広く分布。日本では山口県と利根川以北に棲息。

体長は10cmほどまで成長する。

体は左右に平たく、背中には背びれの棘状が3本離れて発達。腹に2本、尾ビレ付近にも1本ある。

イトヨはサケと同じように、川で生まれた稚魚は海に下り成長して、産卵前に川をさかのぼる。(陸封型もいる)

若い魚は群れて生活し、小型の甲殻類など食べ、成長、産卵まじかに遡上。

産卵時はオスは縄張りを持ち、婚姻色になり、川底に穴を掘って水草の根を集めトンネル状の巣を造る。

このときオスは糸状の粘液を出して巣を固める。そしてメスを誘い産卵を行い、産卵後もオスは卵を保護する。

寿命は1年で、産卵後には死んでしまうが、稀に2年目の繁殖に参加するイトヨもいる。

料理としては、唐揚げ。素焼きも美味しいと言うが、そうでもないようだ。

ハチジョウアカムツ

Filed Under (未分類) by suisan on 29-05-2009

ハチジョウアカムツ(スズキ目フエダイ科ハマダイ属)築地より、小笠原産。

南日本からインド・太平洋に分布。築地には小笠原、伊豆七島から時々入荷すると言う。

最大で1m位に成長する。写真は60cm位。水深200m以浅に棲息。

似た魚にハマダイ(オナガ)がある。が、違いは目の上が青みがかり、尾ヒレの下方の縁が白いのが特徴である。

  

食べ方は刺身、ポワレ、ムニエル、煮魚。白身ではあるが脂があって、身に甘みがある。

刺身もいいが、ポワレやムニエルの方がより合うと言う。

マテガイ

Filed Under (未分類) by suisan on 28-05-2009

マテガイ(軟体動物門二枚貝網マテガイ科)岩手県宮古産、盛岡水産入荷。

北海道中南部以南から日本各地。並びに朝鮮半島、台湾、中国沿岸に分布。

湾内の砂泥底に住んでいる。

宮古産では小さい物は見かけるが、これほどの大きい物はめずらしい。

漢字では「馬蛤貝」「馬刀貝」などとかかれる。西洋カミソリにも似ているので「カミソリガイ」とも呼ばれる。

細長い貝は、くさび形の足?が出て(下の写真)直角にもぐる。

殻の先端部には1本に癒着した管が出て、入水管と出水管が砂から出ている。(写真下、貝の左方向に水管が見える)

潮の引いた砂泥底の干潟にマテガイの水管の出入りしたところが浅い窪みになっていて、そこに食塩を入れればマテガイが驚き飛び出ると言う。(高濃度の塩分に驚き、貝柱を急激に収縮させるため)

旬は春から初夏。

料理は焼き貝、茹でる、煮る。

殻付のまま強火で焼く。醤油と酒、出し汁とあわせ、降り掛ける。

もっと簡単には、フライパンに並べ、酒をかけ酒蒸しにする。磯の風味がでて最高に旨い。

トビウオ

Filed Under (未分類) by suisan on 26-05-2009

トビウオ(ダツ目トビウオ科ハマトビウオ属)和歌山県産、盛岡水産入荷。

太平洋、インド洋、大西洋の亜温帯から温帯の海に分布。世界で50種、日本近海では30種弱いるようだ。

陸地に近い沿岸部に多く、表層近くに生息し、動物プランクトンを食べている。

マグロやシイラなどの捕食者から逃げるため飛ぶとの事。

水上に飛び出し、海面すれすれに猛スピードで滑降し、一回の飛行距離は300mにも及ぶときもある。

トビウオの仲間はハマトビウオ、ホソトビウオ、ツクシトビウオ、トビウオ(本トビウオ)などがある。

カツオやサンマと同じように、季節回遊する魚で、春先から夏にかけ、日本付近まで北上し、産卵して、秋には南下する。

旬は初夏から夏。

料理は刺身。小骨が多いが脂肪が少なく美味。ワサビより生姜、葱が合う。

「なめろう」が美味しいと言う人もいる。三枚におろし腹骨をとり、血合い、小骨はとらず細かく切る。

葱、みょうが、生姜(ニンニク)味噌をあわせて包丁で丹念にたたく。最高の「酒の友」ができる。

塩焼きやフライにしても美味しい。

トビウオは別名「アゴ」とも呼ばれ、トビウオを材料にした竹輪「あごちくわ」や新島や八丈島ではくさやにも加工される。

そのほかには「アゴ干し」「トビ節」「焼きアゴ」など料理の出汁を取るために使われ、山形県飛島では「酒田ラーメン」、長崎や福岡も醤油ラーメンの出汁としても使われている。

又、トビウオの卵は「トビッコ」として、珍味や寿司ネタに使われている。

大きな目である。

アオリイカ

Filed Under (未分類) by suisan on 25-05-2009

アオリイカ(ツツイカ目ヤリイカ科)秋田県、盛岡水産。(千葉県産は岩手魚類に入荷)

ハワイ以西も西太平洋からインド洋の熱帯・温帯域に分布。

日本では北海道以南の沿岸、特に太平洋側は鹿島灘、日本海側は福井県西側以南に多い。

通常は深場に棲息するが、春から夏にかけて産卵のため海岸近くの浅場にやってきて、海藻や岩の隙間に豆の鞘のようなカンテン質な卵鞘を一箇所に固めて産卵する。

卵鞘の中にバクテリアがいて、魚が嫌がる物質を出しているようなので、卵が魚に食べられることがないようだ。

卵は20日ほどで孵化し、幼体は浅い海で小魚や甲殻類を捕食して成長。

夏には体長数cmの幼体が浅い海で漂い、15cmから20cm程まで成長し、冬には深場に移動する。

寿命は一年(鹿児島以北)で最大で(胴長)50cm位になるものもいる。

外見がバショウの葉に似ているので「バショウイカ」や藻場に産卵するので「モイカ」、九州では「ミズイカ」と呼ばれる。

旬は春から夏。

料理は勿論刺身、天ぷら材、干し物、焼き物など。高級イカの最高峰。値段も高値だが味も最高。

刺身にしたらこれほど旨いイカはないといっても良い。適度な弾力と甘み、噛み締めると旨い汁が浮き上がってくる。

紋甲イカなどより歩留まりが良い。

一夜干しや漬け汁に漬けた、漬け焼きも旨い。でもこの値段ならやはり刺身が良い。

ただ残念なのは、三陸は「スルメイカ」の宝庫。アオリイカ、モンゴイカを使える人が少ない。

 

今日は他に「千葉県産マトウダイ」や「秋田県産のイシダイの子供」が見えたので写真を添えよう。

  

コロダイ

Filed Under (未分類) by suisan on 23-05-2009

昨日、午後より盛岡市内の温泉ホテルの「地産地消」プラス「お土産付き」の新企画の録画取りのため、岩手めんこいテレビの大久保涼香アナとスタッフが来ました。

今日の魚はコロダイ(スズキ目イサキ科コロダイ属)宮崎県産、盛岡水産入荷。

市場には「コショウダイ」として入荷することが多い。

南日本からインド洋・西太平洋までの暖かい海に分布。(コロダイはコショウダイより南に棲息している)

磯や海岸近くの砂底に棲息。最大で60cm位になる。

「ころだい」は和歌山県での呼び名が標準和名にしたもので、和歌山県でイノシシの子を「ころ」と呼ぶそうだ。

コロダイの稚魚はイノシシの子供の模様に似ている。

「タイ」となっているがイサキの仲間でイサキの稚魚はやはりイノシシの子供「ウリボウ」と呼ばれている。

イサキの仲間とあって味は良いとされている。特に刺身は血合いの色合いといい、透明感のある白身はすばらしい。

南方系の魚なのでムニエルなどが良いように見えるが、煮付け、塩焼きも旨い。勿論ムニエル、フライも良い。

クロウシノシタ

Filed Under (未分類) by suisan on 22-05-2009

クロウシノシタ(カレイ目ウシノシタ科タイワンシタビラメ属)秋田県産、盛岡水産入荷。クロシタビラメなどと呼ばれている。

  

北海道小樽以南から南シナ海まで分布。湾内や沿岸の砂泥底に生息。

産卵期は夏。旬は春から夏。

何故「ウシノシタ」なのだろう。「シタビラメ」の方がわかりやすいのでは?

一般には裏返しして入荷している。(左上の写真のように)

  

何気なくアップで撮った写真であるが、口の周りにヒゲのような棘状の突起物がある。(左写真 目の下にヒゲ?)

縁のヒレが黒い事とこの突起物があることでクロウシノシタとわかる。

似たウシノシタに「アカシタビラメ」がいる。全体に赤い。

料理は刺身、煮付け、ムニエル、揚げ物、塩焼きなど。ただ刺身は肉薄で食べるところが少ないのが欠点。

はげにくい鱗があるが頭から皮を剥ぐと簡単に剥ける。洋食系では何と言ってもムニエルが最高。

身は柔らかく旨い。

アカヤガラ

Filed Under (未分類) by suisan on 21-05-2009

アカヤガラ(トゲウオ目ヤガラ科ヤガラ属)鹿児島県産、盛岡水産入荷。

FCブログ「田清水産の魚」では昨年9月19日紹介している。

写真は4月20日やはり盛岡水産に入荷した宮崎県産のヤガラである。(今日入荷は箱に雑に入っていたので違う写真で)

日本中部以南に分布する暖海性の魚で、沖合いのやや深い砂泥底に住み、普段は水底近くをゆっくり泳いでいる。

餌のエビやゴカイなど発見するとかなりのスピードで長い口で吸い込み食べる。

 ←長い口の先

名前の由来は姿が「矢柄」に似ているためと言われる。

  

最大で2m位になる。体の4分の一は口、頭部から身にかけて4本の骨が、長い口を支えている。

そのため非常に歩留まりが悪いが高級魚である。

料理は刺身、椀種、塩焼き、干し物など。

身はきれいな白身で血合いが微かに赤く、刺身にするとコリコリ感と癖のない身は美味しい。癖がない分酢の物に最適。

椀種にしてもお吸い汁が濁らない上質の脂を持っている。筒切りにして塩焼きもうまい。

一目見れば変わった形なので覚えられやすい魚である。私も「魚屋」になったときびっくりした。

当時、担当していた某ホテルの板長さんに、好んで使っていただいたので思い出深い魚でもある。

皮をつけ3枚に卸し、焼き目をつけ刺身、酢の物などにしていた。

ヤガラにはアカヤガラとアオヤガラがあるがアオヤガラはあまり食用にならない。

古くは乾燥させ腎臓病や喘息の薬とされたとか・・・?姿を見れば漢方薬になりそうな魚である。

マス・トキサケ・オオメマス?

Filed Under (未分類) by suisan on 20-05-2009

やはり予想通り今日も入荷状況が悪い。とは言え、水曜日で売れ行きも悪い。

ブログネタ?がない。

そんな中、今年は「ママス、時サケ、大目マス」が大量に入荷になっている。

「例年ならこの時期、関東方面に流れている」とのこと。不景気で関東でも値崩れがおき、盛岡に入荷しているとの事。

「マスとサケ」の違いは?ふと誰かが言い出す。→なかなか答えをすぐ出せる人はすくない。

そこで写真を添えよう。

 

時サケ・大目マスはシロサケ。産卵期(秋)に漁獲されるサケにも変わり者もいる。産卵のためのエネルギーを蓄えている若いサケで脂ののりが抜群。非常に美味しい。北海道などでは「時知不(トキシラズ)」と呼ばれている。

  

 ↑ 時サケ、↓ 大目マス

  

ママスの顔は怖い感じ。しかも歯が鋭く、サケに比べれば大きい。尾ヒレは小さく最終部が真っすぐ。

対して時サケ・大目マスの顔は「鮭児」などと同じようにかわいらしく、尾ヒレは大きく中央部が食い込んでいる。尚、尾ヒレの骨と骨の間の膜が銀色である。

本来は大目マス→大目サケなら混乱も少なかったのではないかな。

キチジ

Filed Under (未分類) by suisan on 19-05-2009

やはり昨日の前線通過の影響で「魚」が非常に少なかった。

ただ、青森県産の「キチジ」の鮮度があまりにも良かったので写真に写した。

キチジ(カサゴ目フサカサゴ科キチジ属)岩手魚類入荷。キンキ、キンキン、メンメなどの呼び名がある。

駿河湾以北、北海道、オホーツク海に分布。日本海にはいないとされている。

水深200mから500mの大陸棚斜面や海底で、エビ類、クモヒトデ類などを捕食し棲息している。

産卵期は1月から6月。長さ約35cm、幅約6.5cmのゼラチン質の袋に包まれた卵を産む。

大きな眼と大きな胸鰭、あざやかな赤色。頭や眼の下の部分に鋭い棘がある。背びれには黒斑がある。

今日の鮮度なら刺身が美味そう。皮をひかないで湯引きにする。

皮下にあるゼラチン質のプリンとした感覚と、皮下の脂の甘みが口の中で溶けてなんとも言えぬ旨さがある。

その次は煮付け。最上級の料理だ。そして塩焼き。頭、骨などはアラ汁。どんな料理でも旨い魚である。

私の大好きなのは肝。甘辛く煮るとこたえられない味。うまい!旨い。だからこうゆう体型なのかな?

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