ナンカイボラ

Filed Under (ナンカイボラ) by suisan on 25-04-2011

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長崎・五島列島からの入り合わせに「ホラ貝」が混じっていた。

他には鯛、イラ、ムツの子、ホンハギ、ウマズラハギ。

貝類はあまり得意ではないが、あまりにも見事なため、調べてみた。

ナンカイボラ(盤足目フジツガイ科)岩手魚類入荷。

  

貝殻が硬く割るのが大変な作業である。

似ている貝には「ボウシュウボラ」がある。(そっくり)

ボウシュウボラは殻がごつごつしているが、ナンカイボラは突起物が滑らかである。

房総半島、山口県以南、四国沖に生息(ボウシュボラと同じ)

水深50mから250m付近まで生息。(ボウシュウボラは岸から水深50mぐらいまでに生息)

食性は肉食性で、棘皮動物のヒトデなどを食べる。

漢字では「南海法螺」と書き、山伏などの修行に使う楽器?に似ている。

ナンカイボラは最大で25cmぐらいまで成長する。(山伏が使うには小さすぎるかな?)

身は美味しいが、内臓には(唾液腺)テトラミンやフグ毒などを持っているので注意。

唾液腺を取り除き、塩を使い良くもみ洗いしてください。(粘膜を取り除くため)

 

盛岡水産に北海道産の「マス」が入荷。

全長60cm強、体重4kg。見事な体型である。

  

例年なら三陸産の「イタマス」が入荷する時期なのに・・・。

カジカ・ナマコ等

Filed Under (カジカ, か行, ナマコ, な行) by suisan on 16-11-2010

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11月11日に撮影した「ケムシカジカ」の写真。

大きな口と鋭い歯。アップで見れば怪獣の顔。ゴジラ?

何度もブログで紹介しているが、結構旨い魚である。

鮮度が良ければ刺身。引き締まった白身は味、食感と申し分ない。

秋から冬にかけての卵も、鮭のイクラのように醤油漬けにすると旨い。

当然、鍋や味噌汁などにするには、肝や胃袋など(掃除して)捨てるところがない。そして旨味がでる。

格安。

下の写真は今日入荷の岩手県産「ナマコ」。ストロボの関係で少し赤く見える。

しかし、いつも言うが初めに食べた人は勇気ある人に違いない。

同じく岩手県産「コダラ」。

北海道産「イソツブ」。元気に動いている姿を見れば、カタツムリの先祖のように見える。

角出せ、槍出せ、目玉???はないか。

魚の入荷は相変わらず活発。でも、買出し人が少ない。

業務卸も注文が少ない。

明日は水曜日の営業日。今日以上に買出し人が来ないだろう。

こんなに魚が豊富なときこそ魚を食べてください。

ネズミゴチ

Filed Under (ネズミゴチ) by suisan on 14-09-2010

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ネズミゴチ(スズキ目ネズッポ科ネズッポ属)千葉県産、築地より。

  

メゴチと呼ばれることが多いが、標準和名のメゴチはカサゴ目コチ科で違う種類。

分布は日本海側は北海道南部以南、太平洋側は宮城県以南とされ、黄海、東シナ海、南シナ海まで広く分布している。

水深20mより浅い湾内の砂底に生息し、春から夏にかけごく浅い場所にもやってくるが、冬場はやや深場に移る。

食性は肉食性。貝類、多毛類、甲殻類など小型底生生物を食べている。

マゴチなどコチ科は大きな口で獲物に飛びかかるが、ネズッポ科類はスポイト状の小さく、下を向いている口で吸い込む。

産卵は春と秋。夕方にオスとメスが海面に浮き上がり、ランデブーしながら産卵する。寿命は2~3年。

食材としてはやはり天ぷらが天下一品。ヌメリを取り、頭内臓と中骨を取り(尾は付けたまま結ばない松葉にする)揚げる。

あまり知られていないが鮮度よければ刺身も絶品。平目にも負けない。

ただ、小さいので(大きくても20cmぐらい)歩留まりも悪いし、超面倒。皮付近に旨味が凝縮している。

天ぷら、と言えばやはりキス(シロギス)。写真は山形県産、盛岡水産入荷。

天ぷらの白身魚の代表格を2点並べた。

釣りでもシロギス釣りの外道としてネズミゴチはつれるとか。外道なんて勿体ない。

漢字で「鼠鯒」。顔がネズミに似ているからかな?

ノコギリガザミ

Filed Under (ノコギリガザミ) by suisan on 30-07-2010

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盛岡のホテルさんからの依頼で「胴満ガニ(ドウマンガニ)」を築地から送ってもらった。

本名はノコギリガザミ 十脚目(エビ目)ワタリガニ科ノコギリガザミ属。静岡、浜名湖産。

英名はマットクラブ(泥蟹の意味)やマングローブクラブと呼ばれている。

日本では3種類が分布されているようだが、違いが少なく一般に「ノコギリガザミ」で長年取り扱われているようだ。

  

ノコギリみたいな棘は目と目の間に6ヶ。目から両側にかけて9ヶある。

ワタリガニ(ガザミ)やヒラツメガニなどの仲間?かな。似ているところがある。

甲羅には「H」のような模様や一番最後の脚が遊泳脚になっている。

明らかに違いは甲幅が20cmほどに達する大きさと巨大なハサミ。

  

この大きなハサミは大好物の貝類を砕くために発達したようだ。

乾電池を握りつぶすとか。

日本での生息域は房総半島以南の暖流に面した地域。

世界ではアフリカ東海岸、オーストラリア、ハワイ、インド太平洋の熱帯・亜熱帯域に分布。

マングローブの根元や砂泥の干潟に大きな巣穴を堀り、夜に巣穴から出て活動する。

縄張り意識が強くオス同士で喧嘩をする。戦いで失った足や爪などは数回の脱皮を繰り返すうちに再生する。

浜名湖産を胴満ガニ、高知県産を「エガニ」「本ガニ」と呼ぶ。

ただ、輸入物と違い漁獲量も少なく、高価な蟹である。

日本ではやはり沖縄が一番漁獲量があるのではないかな。

食べ方はやはり”蒸す”のが一番かな。寒い時期の内子入りは最高、との事。

今日は2尾で1.5kg。大型の部類である。

ナミガイ(シロミル)他

Filed Under (ナミガイ) by suisan on 24-06-2010

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今朝、残念な場面を市場、元卸売り場で見た。

個人の魚屋さん、超ベテランのオヤジさんが平目がほしいのだろう。

指で押し、裏返ししてみたり、結局買わずに置いていった。シールは何処へ?裏側かな。

写真左側が触られ放題の平目。

後から来た買出し人が何も知らずに購入してゆくのだろう。

完全なマナー違反だ。自分さえ良ければ・・・。

 

今日はナミガイ、二枚貝網オオノガイ目キヌマトイガイ科。青森県産。盛岡水産入荷。

我々は「シロミル」と呼ぶ。

オホーツク海、サハリン、沿海州。太平洋沿岸メキシコからアメリカ。日本では北海道から九州に分布。

水深30m前後の砂地に生息。

激減したミルガイの代用として使われている。価格も半分以下。

長く伸びた水管の皮をむいて刺身で食べる。(軽く湯通しすれば剥けやすい)

貝特有の食感と貝臭さがあまりなく食べやすい。甘みもある。刺身、寿司ネタに向く。

開いたものを塩焼きも旨いし、ワタやヒモなどもバター焼きで旨く食べれる。

ミルガイの代用品ではあるが、あまり獲りすぎればミルガイと同じようになる可能性がある。

 

そのほかにシロバイ(オオエッチュウバイ)山形県産、エゾバフンウニ岩手県産など盛岡水産に見えていた。

  

2点は写真だけの掲載。

レプトケファルス(ノレソレ)

Filed Under (ノレソレ) by suisan on 17-02-2009

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ノレソレ・ベラダ、(レプトケファルス及びプセファルス、愛知県産、築地より)

透明で写真の撮りようがない。見えにくいと思う。

皿の上に3匹、顔を中心に撮影。写真をクリックすると大きくなるので見てください。

カライワシ目、ソトイワシ目、ウナギ目などの葉形幼生の総称。ウナギ目ではハモ、マアナゴ、ウナギなど。

詳しいことはいまだ不明な点が多いが、ウナギの場合、南方の産卵場所で孵化し、レプトケファルスに成長。

日本沿岸まで黒潮に乗って北上してから変態しシラスウナギと呼ばれる稚魚になり、河川などの淡水に上がって成魚となる。

又、人口飼育も可能となり、ハモはエビすり身、ウナギはサメの卵黄を原料とした人工飼料による餌付けに成功している。

難しい話はこれくらいにして、我々は「ノレソレ」と呼ぶ。アナゴの稚魚と教えられた。

関東でもノレソレ、岡山県ではベラタ。

高知県ではノレソレ(高知からこの名が広まったようだ)、生きたまま土佐酢、三杯酢などにくぐらせて、踊り食いされることが多いようだ。

我々も鮮度が良いうちに生食する。味はさほど無く、旨いともいえないが、春から初夏にかけての季節感ある食材である。

加熱しては溶けてしまう。ゼラチン質の多い体である。

ニシン

Filed Under (ニシン) by suisan on 16-01-2009

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昨日の盛岡は大荒れ。最高気温も-0.1度。

雪も本格的に降り、市場内駐車場が今期初めての除雪をした。そしていたる所に雪山ができた。

今日の魚はニシン(ニシン目ニシン科ニシン属)岩手県山田産、盛岡水産入荷。

回遊魚で北太平洋に分布。日本では利根川以北、日本海では島根県以北。

別名「春告魚」。産卵は春から初夏。脂がのって美味しい。

最盛期は100万トンもの漁獲量があったが昭和30年以降、日本国内で100トンまで激減。

ロシアやカナダからの輸入が大半を占めるようになった。

激減の理由は海水温の変化、乱獲、森林破壊など。

近年、稚魚の放流などで徐々に水揚げ量が増加つつある。

料理は鮮度よければ刺身、マリネや酢締め。一般的には塩焼きや煮漬けなど。

産卵は北海道・厚岸などでは11・12月から始まり、北海道西岸では3月から6月下旬に行われる。

孵化して1・2年で15cmぐらい、5年で30cm、7年で35cm(最大)ぐらいまで成長する。

写真は大型で35cmはゆうにある。重さも500gアップ。

◎卵は沈性、粘着性でかたまり状になり海藻などに付着する。これが「子持ち昆布」「子持ち若布」。

◎身を3枚に卸し20日から1ヶ月乾燥させたものが「ミガキニシン」。最近は半乾燥の「ソフトニシン」も販売されている。

冷凍・冷蔵技術や輸送の発達していなかった時代は「ミガキニシン」は山間部では重要な食材だった。

京都にニシン料理があるのはこのためである。(ニシンそばなど)

◎もうひとつは「塩数の子」。ニシンの卵巣の塩漬けである。

最近はほとんどカナダ、アラスカなどからの輸入品である。

以上のようにニシンからできる食材?は多い。それだけ日本人に定着した魚とも言える。

最近、骨が多いと敬遠されがちではある。残念なことだ。

ナメタガレイ

Filed Under (ナメタガレイ(ババガレイ), 未分類) by suisan on 15-12-2008

FC2ブログでは10月20日に紹介したナメタガレイ。

本名ババガレイ→失礼な名前。(カレイ目カレイ科ババガレイ属)三陸ではナメタガレイ。

日本海各地と駿河湾以北の太平洋側に分布。

水深50m~450mの海底の岩礁域に生息。

他のカレイ類は砂泥底を好むがナメタガレイは例外。

一般に北海道の太平洋側に生息している群れは11月ごろから三陸沖に移動し水深100mぐらいの浅い海で産卵。

他のカレイと同じように、生まれたては両側に目がついている。

生まれて20日目ぐらいから目の移動が始まり、片側に集まり成魚となる。

餌はゴカイ、エビ、クモヒトデ類など小さな口で小動物を捕食。

名前の由来は「ぬめりが強く汚い」「顔のシミが老婆のようだ」から来ているとか?

三陸の年越しには欠かせない食材。12月中頃、ちょうど今頃から高騰してくる。

料理はほとんど煮つけ。鮮度が良ければ(盛岡の市場には稀に活で入荷ある)刺身も旨いと聞く。

子持ちナメタガレイの煮付けは、身が絹のように滑らかで子も旨みたっぷりで美味しい。

特にエンガワの脂身とゼラチン質はコラーゲンの宝庫。絶品。

そのほかに「ナメタ干し」。三陸ではこの時期から見え始める。

年配の方はホンカン(硬く干したもの)が好むみたいだ。

個人的には独特の臭いが苦手である。

あぶりながら身をむしり取り酒のつまみに・・・最高と言う方が多い。

写真上2枚は北海道産、盛岡水産入荷。

ナメタ干しは岩手魚類より。

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