Filed Under (ボタンエビとオスタラ) by suisan on 30-10-2010
昨日撮影した「ボタンエビ本名トヤマエビ」。北海道産、岩手魚類入荷。

以前に紹介済みだが、和名をつける時点で富山湾で大量に漁獲されていたのでトヤマエビの名が付いた。
「ボタンエビ」なる名前のエビも入るので混同しないように。
日本海からベーリング海にかけて、水深100~350m位に生息する寒い海の深海性エビである。
2歳、10cmぐらいで性転換が始まり、5歳で産卵。翌年は産卵しないで7歳ぐらいで再度産卵。
寿命は8歳ぐらいかな。
北海道産にもかかわらず水なしで生きている。すごい生命力。
同じく岩手魚類に「オスタラ」が入荷。岩手県・宮古産。

おなかから白子が顔を出している。
鮮度も良く、身は昆布締め、白子は酢の物、骨・頭はアラ汁に。
今年はやっぱり高値だね。海水温のせいかな。
Filed Under (ソデイカ) by suisan on 29-10-2010
Tagged Under : ソデイカ
ソデイカ(ツツイカ目ソデイカ科ソデイカ属)岩手県・山田産。岩手魚類入荷。

岩手産ソデイカ?
ソデイカの分布は南日本、日本海、世界中の温帯・熱帯域。
深海に生息する大型のイカで水深300mから600mに住んでいる。
大型では全長1m、体重10~20kgになる。
別名はタルイカ、アカイカ、ロケットイカなど。
腕の膜が着物の振袖のように見えるから名が付いたとか。
しかし、南日本、もしくは日本海(島根県など)からの入荷は聞くが、三陸、しかも岩手県産。不思議だ。
サイズからみても子供。暖流に乗って旅をしてきたのだろう。
産卵場所は琉球列島付近とのこと。
料理食材としては刺身や天ぷら、ステーキなど。
刺身は鮮度だけが命であまり味も甘みのない。硬過ぎるくらいだが、一度冷凍すれば一変する。
冷凍での流通が多いのはこのせいである。(我社も常に在庫している)
天ぷらや焼き物、炒め物に向く。
Filed Under (ムロアジ) by suisan on 28-10-2010
Tagged Under : ムロアジ
盛岡水産入荷、魚の「入り合わせ」にムロアジらしき魚が混ざっていた。(下の写真 左)
大槌から来る魚の「入り合わせ」には温かい地方の魚が少なくなって、海水温も下がりつつあるのかな、と思っていた。
右の写真は岩手魚類に入荷のアオリイカ、岩手県・宮古産。こうして見るとまだ温かいのかな。

う~本当に「ムロアジ」それとも「マルアジ」。どちらにしろ生息域は南日本から東シナ海。
東北の魚ではないように思う。
最終的にはわたしも迷って結論を出せないでいる。

マアジなどより体が長く、上から見ても体全体が丸い。
どちらにしてもアジ科ムロアジ属。
料理は刺身や干し物。どちらもクサヤになる。
刺身は旨い、とのことなので今度入荷したら試食してみよう。
Filed Under (出鼻挫かれる) by suisan on 26-10-2010
Tagged Under : 出鼻挫かれる
昨日の思いを決意し、元卸売り場へ何度か足を運んだが、残念なことにめぼしい魚がない。
そういえば昨日はカツオの入荷がなかった。海が荒れているのか。
天気予報図を見ると等圧線が中国大陸からせまい間隔で日本を覆っている。
上空はかなりの風が吹いているのだろう。(内陸にいれば分からない)
それが原因で海が荒れ、漁が厳しくなっているのだろう。
「休み明けは魚の入荷がかなり少ないと思う」元卸の担当者の声。「イカはまったく入荷がないかも知れない」との事。
出鼻を挫かれた感じ。
仕方ないので、写真に収めたがアップしていなかった魚を掲載しよう。
10月14日富山産カワハギ。小さい。皮を剥いだ状態で10cmぐらい。どのように料理すれば良いのか???。

右は10月15日青森県産フジツボ。どちらも盛岡水産入荷。
そして大型のタイ。岩手魚類入荷、千葉県産。なんと7.2kgある。私の15cmの定規が分かるかな。10月22日撮影。

10月25日昨日撮影の青森県産のドンコ(エゾアイナメ)。私のペンネームにしたいと考えている魚である。

右は岩手県・久慈産イシダイ(1尾)・イシガキダイの入り合わせ。温かい地方の魚なのだが、すっかり見慣れた。
入り合わせも海がこのような状況では入荷がない。困ったな。
明日は休市日。
Filed Under (中津川の鮭) by suisan on 25-10-2010
Tagged Under : 中津川の鮭
昨日はいつものウオーキングコース近くの中津川・浅岸橋から鮭の写真を撮りたくて出かけた。

川に遡上する鮭は常に痛々しい。
セビレ、ハラビレや全身が白くきずついている。
何を思い、何を考え生まれた川に戻ってくるのだろう。こんなにキズだらけになり・・・。
そして一瞬の産卵がすめば後は”死”が待っている。
上の写真は浅岸橋のすぐ下。こちらの写真は橋から20mぐらい下流の浅瀬。目に見えるだけでも十数匹はいる。

夕方、歩きながら中津川を見るとあちらこちらに白い魚体が横たわっている。
DNAに刻まれた”種の存続”のために。
死んだ鮭は他の動物たちの餌となり、そして微生物に分解される。
かたや産卵された卵の何分の1かが孵化し、幾多の危険を通り抜け数年後にはこの川に戻ってくる。
ふと、人生の半分以上生きてきた私は果たして何を残して死んでゆくのだろう。
・・・・。
なんて考えるガラでもない。
明日から又、ブログネタを探して頑張る。
Filed Under (烏賊三点) by suisan on 23-10-2010
Tagged Under : 烏賊三点
昨日の「大女子」写真が一枚では物足りなく思い、追加しよう。

全体像がはっきりしたと思う。
燻製を作るには煙の中で吊るすわけだから真っ直ぐになるのは分かるが、あまりにも綺麗に並んでいるよね。
鉛筆をまとめて掴んだような気がする。手袋をかけ掴むが、すごい脂である。しかし”珍味”である。
今日の主役はイカ。
まずは岩手県産のスルメイカ、そして北海道産ヤリイカ。

ここまではごく普通。下の写真は青森県産アオリイカ。

連日ブログでも紹介しているが、北海道、青森、岩手と毎日のようにアオリイカが入荷している。
我グループ会社の「回転鮨清次郎イオン店」等では「イカ3点」と名を売って、違った味、食感を味わっていただこうと取り組んでいるところもある。
楽しい試みである。是非、堪能してみてはいかがかな。
日々、寒くなり冬が近づいている。魚もアンコウ(秋田県産)やハタハタ(山形県産)などが入荷している。

北海道からは「子持ちナメタ(ババガレイ)」も入荷。

盛岡の今日の最低気温は4℃。来週の水曜日あたりからは2℃ぐらいまで下がる。
市場勤務者としてはつらい季節が到来する。
Filed Under (コウナゴ) by suisan on 22-10-2010
Tagged Under : コウナゴ
築地から「大女子」なるものが送られてきた。北海道・釧路産。

よく見ると「メロウド」の燻製。大きくなったイカナゴ。北海道で「小女子」ではなく「大女子」とか。
小さいイカナゴの釘煮は聞いたことがあるが、燻製は?
昔、北海道ではアイヌの保存食であったとか。
手でむしり、もしくは丸かじりして食べる。口の中に入れれば油くさいかな、と思い食べていると甘み、旨味がわいてくる。
とにかく旨い。よき酒の友になりうる品物である。
すばらしきかな先人(アイヌの)知恵。
Filed Under (ヘダイ・カガミダイ・ムツ) by suisan on 21-10-2010
昨日は朝9時まで勤務し、その後、私用で休みをいただきブログを休んでしまった。
以前からの予定であったが、「休みの予告」もせず、すみませんでした。
10月18日紹介した「ヘダイ」。紹介が済んでから卸してみた。

血合いの赤とタイ独特の白身のコントラストが非常に綺麗だ。マダイより綺麗なのではないか。
食べてみた。う~、鮮度が悪かったのか、クセがありなじめない。ちょっと首をかしげた。
「クロダイ以上」との評価があるが、私は「旨い」との実感はなかった。
まずい訳ではない。口に合わないだけなんだろう。
次の写真は「カガミダイ」。10月19日に紹介した「イトヒキアジ」と同じ「入り合わせ」の入っていた。

生息域は福島県以南、とある。やはり温かい潮の流れに乗ってきたのだろう。この辺は毎年のことである。
小さくかわいらしかった。
似た魚に「マトウダイ」がいるが、そちらはデコッパチ。カガミダイは頭部がへこんでいる。
(見た目での違い)
今日の「入り合わせ」には「ムツ」も幼魚が混じっていた。

生息域は北海道以南~鳥島。成魚は水深200m~700mの岩礁域にいるが、幼魚は沿岸の浅い場所で暮らしている。
小さくても美味しい魚だが、こんなに小さいと食べるところがない。試食はあきらめた。
しかし、獰猛な顔と鋭い歯。自然で生き抜くための武器なのだろう。
小さいのに怖いくらいだ。
Filed Under (イトヒキアジ) by suisan on 19-10-2010
Tagged Under : イトヒキアジ
大槌からの「入り合わせ」に、温かい海に住む「イトヒキアジ」の幼魚が混ざっていた。
まだ、海は暖かいのか?毎日のように青森・岩手県産の「アオリイカ」が入荷している。
今まで見たことのない風景だ。
ただ、「スルメイカ」で育った調理人さんは購入していただけない。旨いのに・・・。
話を戻そう。「イトヒキアジ」のブログ紹介は済んでいる、と思っていたが、現在のブログではなかった。
2008年8月8日fc2ブログであったことに気が付き、以前築地から送ってもらった写真を探した。

左が成魚の写真。右が今回の幼魚の写真。
イトヒキアジはスズキ目アジ科イトヒキアジ属。生息域は南日本。全世界熱帯域。
内湾、沿岸の100m以浅に住む。
幼魚については相模湾などでもいるが、成魚はもっと南の温かい海に住んでいる。
最大で1m20cmぐらいまで成長する。
漢字で「糸引鯵」。セビレ、シリビレの先端が長く、糸を引いて泳いでいるように見えるからかな?
料理としては刺身や塩焼き、フライ、ムニエルなど。
小さいサイズは干物や唐揚げなどの方が旨いのでは。
刺身でも問題はないが、脂身にかける。
大きい方が刺身は旨い。ただ南方の魚特有の「シガテラ中毒」になる可能性もなきにしあらず。注意。
三重県尾鷲市では「糸巻き」。和歌山串本では「かがみうお」。長崎魚市場では「銀鯵(ギンアジ)」などと呼ばれている。
Filed Under (オアカムロアジ) by suisan on 18-10-2010
Tagged Under : オアカムロアジ
10月16日の写真を掲載した静岡県産「オアカムロアジ」を卸してみた。

左はストロボを使用し、右は使用していない。ストロボに関係なくすごい脂である。
皮目が数ミリほど白い。全て脂。
食べて見る。当然、旨い。
よく酸味がある、とのことであるが私には感じなかった。大味と言う人もいたが、クセもなく食べやすい。
我々業務(ホテルなどに納品)関係ではあまり販売したことがないが、こんなに旨ければ売れるのでは?
しかも格安。
秋から冬にかけて脂がのり、食べて美味しい時期である。
次の写真は宮崎県産「ヘダイ」。盛岡水産入荷。

クロダイに似ている。
こちらは2009年9月21日にブログ紹介済。
やはり秋から春先にかけてが美味しい時期である。