マツカワガレイ

Filed Under (カレイ) by suisan on 17-01-2009

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マツカワガレイ(カレイ目カレイ科マツカワ属)福島県小名浜産、盛岡水産入荷。

養殖、放流物もあるが純天然物だと思う。最大級ではないか!5.5kgもあった。

茨城県以北の太平洋側、日本海北部。タタール海峡、オホーツク海、千島列島に分布。

目がついている側が松の幹みたいな表面なため「松皮鰈」?

いまや天然物が少なく、北海道などでは放流が盛んに行われている。岩手県でも養殖し、安定供給できるまでになっている。

高級魚であり、刺身は絶品。上品で透明感のある美しい白身で、歯ごたえ、旨み、脂身から出る甘みと申し分ない。

時間がたつと磯臭くなるので注意。

他には煮つけ、から揚げ、塩焼き、ムニエルなどだがもったいない。

旬は冬。

精悍な顔である。

でも良くこれだけ大きくなったものだ。

資料によればオスで50cm、メスで80cm6kgぐらいが最大級とある。

何年生きたのだろう?

盛岡市内の料理屋さんが現金で購入していった。毎度あり~!

ニシン

Filed Under (ニシン) by suisan on 16-01-2009

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昨日の盛岡は大荒れ。最高気温も-0.1度。

雪も本格的に降り、市場内駐車場が今期初めての除雪をした。そしていたる所に雪山ができた。

今日の魚はニシン(ニシン目ニシン科ニシン属)岩手県山田産、盛岡水産入荷。

回遊魚で北太平洋に分布。日本では利根川以北、日本海では島根県以北。

別名「春告魚」。産卵は春から初夏。脂がのって美味しい。

最盛期は100万トンもの漁獲量があったが昭和30年以降、日本国内で100トンまで激減。

ロシアやカナダからの輸入が大半を占めるようになった。

激減の理由は海水温の変化、乱獲、森林破壊など。

近年、稚魚の放流などで徐々に水揚げ量が増加つつある。

料理は鮮度よければ刺身、マリネや酢締め。一般的には塩焼きや煮漬けなど。

産卵は北海道・厚岸などでは11・12月から始まり、北海道西岸では3月から6月下旬に行われる。

孵化して1・2年で15cmぐらい、5年で30cm、7年で35cm(最大)ぐらいまで成長する。

写真は大型で35cmはゆうにある。重さも500gアップ。

◎卵は沈性、粘着性でかたまり状になり海藻などに付着する。これが「子持ち昆布」「子持ち若布」。

◎身を3枚に卸し20日から1ヶ月乾燥させたものが「ミガキニシン」。最近は半乾燥の「ソフトニシン」も販売されている。

冷凍・冷蔵技術や輸送の発達していなかった時代は「ミガキニシン」は山間部では重要な食材だった。

京都にニシン料理があるのはこのためである。(ニシンそばなど)

◎もうひとつは「塩数の子」。ニシンの卵巣の塩漬けである。

最近はほとんどカナダ、アラスカなどからの輸入品である。

以上のようにニシンからできる食材?は多い。それだけ日本人に定着した魚とも言える。

最近、骨が多いと敬遠されがちではある。残念なことだ。

コマイ

Filed Under (コマイ) by suisan on 15-01-2009

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コマイ(タラ目タラ科コマイ属)北海道・厚岸産、盛岡水産入荷。

漢字で「氷下魚」「氷魚」と書く。カンカイ「寒海」とも呼ばれる。

厳寒期に氷を割って漁獲(氷下待ち網漁)した事からついた名前かな?

アイヌ語でコマイは「小さな音の出る魚」。

日本海、オホーツク海、ベーリング海など北太平洋に分布し、水深200mより浅い海に生息。

夜行性で群れて動いている。12月後半から2月中旬に釣ることが可能。

成魚は全長40cmほど。3つに分かれた背びれと2つに分かれた尻びれを持つタラの仲間。

下顎より上顎が前に突き出ていて、下顎にあるひげが短いことでマダラやスケトウダラと区別できる。

主に北海道で獲れ、干物や魚肉練り製品の材料となる。

我々が良く見るコマイの干物は、頭と腹を取った1匹丸ごとのものが多い。

開いて干したものもあるとか。

丸ごと干したものは硬いが噛んでいると甘み旨みが増す。マヨネーズ、醤油、七味唐辛子を付けて食べると尚美味しい。

今日のように「生」は盛岡でも珍しく、煮付けや開いて塩焼き、卵巣は煮付けが最高。

ある書物には「背開きにして卵巣を付けたまま干し、ともに焼き上げると美味しい」とある。

トクビレ

Filed Under (ハッカク(トクビレ)) by suisan on 14-01-2009

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fc2ブログ「田清水産の魚」では昨年9月16日に掲載。

トクビレ(特鰭)、一般的には「ハッカク(八角)」カサゴ目トクビレ科トクビレ属)盛岡水産入荷、岩手県・宮古産。

日本海側は島根県浜田、朝鮮半島東部以北、北海道、サハリン西方タタール湾まで。

太平洋側は相模湾以北からオホーツク海まで分布。

交尾して産卵期は10月~11月。深海性で海底のゴカイやユムシを捕食。

下顎が極端に小さく海底の餌を捕食しやすくなっている。

最大でオス50cm前後、メス35cm前後。北海道の地魚である。(「トクビレ」の名は富山県)

厳寒の時期は高値、特にオスは引き合いが強い。

ウロコがエビやカニのように硬いが、気にせず三枚に卸し皮をはぎ取る。

白濁りした身は脂が混ざり、甘みが広がり旨い刺身である。

魚屋さんになりたての頃、小樽の寿司街で初めて見たときは食がすすまなかった。今考えるともったいなかったと思う。

刺身の他には塩焼き。

頭から半割りにして塩焼き、肝と味噌をといての付け焼き(北海道では軍艦焼き)、洋風だはブイヤベースなど最高。

10月に一夜漬けを造り焼いて食べた。独特の臭み?が多少残ったが時期的なものか?

小さいと食べる箇所が少ない。見たらなるべく大きいものうを購入したほうが良い。

ウバガイ

Filed Under (ホッキ(ウバガイ)) by suisan on 13-01-2009

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ウバガイ(マルスダレガイ目バカガイ科の一種)

一般にはホッキガイ。ウバガイは北海道の方言か?

漢字では北寄貝、北帰貝など。

日本海北部と茨城県以北の太平洋、シベリア沿岸まで分布し、外洋に面した浅い海の砂底に生息。

産卵期は南ほど早く4月ごろ、北海道では夏。

市場の入荷は北海道産と福島産が多い。写真は北海道産。

福島・茨城産は薄茶色からクリーム色。大きいも物で黒い物もあるが北海道産ほでではない。

関東以南の寿司にはアカガイが使用されることが多いが、東北以北はホッキガイが多い。

身をはずし、開き軽く湯通しすると赤紫色になる。勿論生でも良いが熱を通すことで甘みや旨みが増す。(一般的)

私個人はやはり「生」が一番。

写真のように大きいものは身に厚みがあり歯ごたえ、旨みが申し分ない。

柱も旨い。ヒモは湯をくぐらせ掃除して身に添える。貝特有の旨みがある。

刺身の他には酒蒸し、バター焼きなど。火を入れすぎると硬くなる。

火を入れすぎると硬くなるのは「ハマグリ」も同じ。

先日、盛岡の某ホテルで頂いた「ハマグリのお吸い」格別な火加減だった。

勿論、千葉県産の「ハマグリ」。

やわらかくも無く、硬くも無く、さすが高級ホテルの調理人と感心した。

写真は大きいものは茨城・鹿島灘産、小さいほうは千葉県産。

大きい方は焼いてもうまそうだ。

メガニと元気なツブ

Filed Under (カニ) by suisan on 10-01-2009

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メガニ・ズワイガニのメス。セイコガニとも言う。

ズワイガニはエビ目カニ下目クモガニ科に分類される。漢字で「津和井蟹」とも書かれる。

山口県以北の日本海と、茨城県以北カナダまでの北太平洋、オホーツク海、ベーリング海に広く分布。

水深50m~1200m程の砂泥底に生息するが、主な生息域は200m~600m程の深海。

雑食性だが肉食が強く、貝類や多毛類など捕食。

いろいろ地域ブランドがあり「松葉ガニ」「越前ガニ」など有名。

今日はズワイガニのメス。新潟産。新潟ではメガニ、福井などではセイコガニと呼ばれている。

福井では漁期を11月から12月と定め乱獲を抑えている。

その他の県でも乱獲防止と自然保護を目的にし、漁期を定めている。

食べれるのはこの期間だけ。

オスのズワイガニが24年間に17回ほど脱皮するのにメスは10年間に10回ほど脱皮して成長が止まる。

そのため大きさの差がうまれる。

又、棲息する場所も違う。メスは交尾と産卵が終わった後、水深250mぐらいの海域でメスだけで集団生活。

オスは9月~10月ごろ脱皮してより深い海に分散する。

又、漁期頃には甲羅の中に内子、腹帯に外子を抱き、蟹味噌が加わり絶品とか。

甲羅に身と内子・外子と蟹味噌をいれ甲羅焼きにすれば非常に美味しい。

今日の我が家はとりあえず「味噌汁」にしてみる。

盛岡の老舗魚屋さん「阿部魚店」「星川魚店」そして回転鮨清次郎イオン、津志田本店で購入していただいた。

仙台市場から入荷。

 

メガニだけにしょうと思ったがあまりにも元気な「エゾボラ」に合ったので撮影。

ツブは標準和名がないため統一されていない。地域で呼び名が変わる。

我々はこのツブを「エゾボラ」やただの「ツブ」と呼んでいる。

カタツムリみたいに触覚らしきものを出し自力で箱から出てきた。

刺し身やつぼ焼き。刺身は食感、味と大変美味しい。

今日のツブは北海道産ではあるが、三陸もツブ、アワビの宝庫である。

ただツブには「テトラミン」と言う毒素があるツブもいるので注意。

命にかかわることはまずないが、副交感神経刺激と運動神経抹消麻痺、例えばお酒に酔ったような症状になる。

三陸毛ガニ漁始まる

Filed Under (三陸毛蟹漁) by suisan on 09-01-2009

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三陸の毛ガニ漁が始まり、昨日から入荷している。

毛ガニ(エビ目カニ目下・クリガニ科ケガニ属)岩手魚類入荷。宮古産

(メスの毛ガニは12月6日にブログしたので参考にしてください)

別名「大栗蟹」と呼ばれ日本海沿岸、茨城県以北の太平洋岸からアラスカ沿岸までとその近辺の海に広く分布。

水深30~200m程の浅い海の砂泥底に生息。

肉食性で多毛類、貝類、甲殻類、小魚など捕食する。天敵はオオカミウオやミズダコなど。

大きいものは刺身、茹でガニなど。小さいものは鍋や味噌汁。

好みの差はあるとは思うが、カニの中でケガニが一番旨いと思う。

盛岡市内の魚屋さんに「三陸産のケガニ」は出回っていると思うので是非、ご賞味ください。

(小ぶりなのが難点)

 

ついでにクリガニ(クリガニ科クリガニ属)北海道産。

クリガニは根室以北、トゲガニは東京湾以北の本州と北海道の日本海側に生息。

甲羅が五角形でケガニより小さく「ケガニになれないクリガニ」と童謡があると言う。

クリガニにはトゲクリガニという同じようなカニが存在し、見た目ではわかりづらい。

目と目の間のトゲが4本同じならクリガニ。

中2本が長ければトゲガニと言うが奇形もあるので産地からの名前を頼ったほうが良い。

料理はケガニと同じ。味もそんなに遜色はないようだ。

しかも格安。

サメ

Filed Under (サメ) by suisan on 08-01-2009

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昨日のブログ「ボタンエビ」の続き

我々が良く言うシロボタンエビ、和名「トヤマエビ」の鮮度抜群の物が盛岡水産に秋田県から入荷したので掲載しょう。

鮮度だけでなく大きい。

 

昨日撮影したものだが「サメ」が珍しくそのままの形で入荷していたので紹介しょう。

アブラツノザメ(ツノザメ目ツノザメ科)岩手魚類入荷、秋田県産。

良く我々は下の写真の「ムキサメ」を見る。姿は?と考えていた。

浜の市場なら誰もが知っていると思うが内陸にはなかなか姿として入荷が少ない。

サメにもいろいろ種類があるだろうがアブラツノザメではないか、と思った。(体の斑点が決めて?)

全世界の寒・温帯域のやや深海に棲息。

東北の多くの地域で10月から5月ぐらいまで漁がある。

ムキサメは剥いて内臓などとってあるのでそのまま切って料理できる便利さがある。

しかも安い。

鮮度が良ければ刺し身、酢味噌をつけ食べると弊社社長のお勧め?。

一般的なのは煮付け、煮こごり、から揚げ、ムニエルなど。

私もスーパーなどで購入し、煮付けにしてもらう。

身はやわらかく、クセがなく美味しい。小骨なども食べられる。

ネズミザメなども「ムキサメ」となる。

ボタンエビ

Filed Under (ボタンエビ) by suisan on 07-01-2009

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ボタンエビ(甲殻類十脚目抱卵亜目タラバエビ科タラバエビ属)千葉県産、盛岡水産入荷。

日本特産の種で北海道内浦湾から土佐湾にかけて水深300m~500m程の深海に棲息。

(仙台湾から東シナ海まで棲息との本もある)

築地には銚子沖、駿河湾、熊野灘などより入荷するが量は少ない。

量が少ないのでいつしか「ボタンエビ」の名は「トヤマエビ」にとられてしまったがこちらが本来の「ボタンエビ」

我々も含め「オレンジ色なため色のさめたボタンエビだ」と思う魚屋のほうが多い。

再度確認するがこちらが本物の「ボタンエビ」

10月から5月にかけて底引き網やエビカゴ漁で捕獲されるが、駿河湾ではカゴ漁は禁止となっている。

産卵して次代へ子孫を残す能力が低いための処置である。それほど希少なエビである。

雄性先熟でまずオス、成長後にメスとなるため大型は全てメスである。

食べてみたが非常に美味しい。身は柔らかすぎず、噛むとプリッとして甘みが広がる。

頭の部分のミソも甘くなんともいえない旨さである。軽く焼いて食べるば尚、美味しい。

こちらは「トヤマエビ」(冷凍)

福井県以北の日本海側、北海道以北に棲息。ロシアからの輸入が多い。

和名の「トヤマ」は最初に研究採取されたのが富山湾であっためで、漁獲量は北海道がダントツ。

こちらも「ボタンエビ」と同じように、孵化して2~3年ぐらいはオスで4年くらいでメスに性転換する。

どちらも卵も美味しい。でも、なかなか卵まで使える板前さんも少なくなったのかな?

ボタンエビの卵。

盛岡の老舗「阿部魚店」やフェザンの田清魚店(隣の回転鮨清次郎)が購入。

食べてみたい方は清次郎フェザン店にて「千葉県産のボタンエビ」と指名してください。

お・は・や・め・に!

イボダイと海藻

Filed Under (イボダイ) by suisan on 06-01-2009

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イボダイ(スズキ目イボダイ亜目メダイ科メダイ属)高知県産。

生息域は宮城県や秋田県以南東シナ海とあるが岩手沖でも多少は獲れる。

魚やになりたての頃、何で「イボダイ」というのか?の素朴な疑問があった。

イボ(顔などにできる腫れ物)らしきものはない。

漢字では「疣鯛」。灸のただれたものを「疣生(いぼお)」といい、エラの後方上に黒いシミ状なものがあるためイボダイと呼ぶ。

他にはエボダイ(東京)、シズ、ボウゼなどの呼び名がある。

1歳で約14cm、2歳で17cm、4歳で20cmほどになり、産卵は春から夏。

四国徳島では丸のまま酢で〆て姿寿司「ぼうぜのすし」として祭り用の魚料理となる。

一般には干し物、塩焼き、煮物、ムニエルなど。

干し物は旨いが近海物は高価なため干物になることが少なくなった。

良く見かけるのはマルイボダイや近種の輸入魚が多いので注意。

バターと相性が良いのでムニエルは非常に美味しい。

 

年が明けてから海藻を見かけるようになった。

今日は北海道産のマツモと岩手県産のワカメ。

茶色だが湯を通すと鮮やかな緑となる。

お吸いや味噌汁、ワカメはしゃぶしゃぶにすると香り、歯ごたえが良い。

春の味覚である。

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