Filed Under (ソイ) by suisan on 18-12-2008
マゾイ(本名キツネメバル、カサゴ目フサカサゴ科メバル属)盛岡水産入荷、岩手県宮古産。
茨城県から北に分布。(本によっては神奈川以北)
水深50m~100m位の岩礁域に生息。
似ている魚にタヌキメバル、クロソイがいる。
特にクロソイは紛らわしい。
クロソイは目の下、口の上に涙骨という骨が3つの棘状のものがある。
マゾイにはない。マゾイの呼び方は北海道に多く、我々もマゾイで通している。
料理は刺身。身自体は上品な白身だが旨みにかける。
旨みは皮下にあるため皮を付けたまま3枚に卸し、焼き霜にすれば旨みがます。
淡白な魚であるが塩焼きが意外に旨い。煮つけも旨い。
クロソイは寄生虫が多く、身に黒ゴマをまぶしたような虫を見ることがある。
マゾイにはあまりない。
ホンビノスガイ(マルスダレガイ目マルスダレガイ科)千葉県産、築地から盛岡水産経由。
本来は外来種であるが堂々と国産?になった貝である。
1998年東京湾で発見されてから繁殖が進んだ。
もともとは原産地は北米大陸。船舶によって運ばれてきて東京湾に定着したと考えられている。
アメリカでは重要な食用貝として広く漁獲されている。
日本では当初、浅利漁場に多く生息するので邪魔者扱いされていたが昨年あたりから水産物として販売されるようになった。
料理は酒蒸し、焼き貝、クラムチャウダーなど。生食にもされる。
加熱過ぎると身が固くなるので注意。
Filed Under (カレイ) by suisan on 17-12-2008
Tagged Under : サメガレイ
今日はサメガレイ(カレイ目カレイ科サメガレイ属)岩手県宮古産、盛岡水産入荷。
地方名、本田ガレイ、セッタガレイなど。
皮を剥いての入荷が多い。その場合はむき本田、むきガレイ、ハダカガレイなど。
北海道、三陸、福島などからの入荷が多い。
日本各地、千島列島から渤海。水深150m~1000mの砂泥底に生息。クモヒトデなどを捕食。
寿命はオスで9年、メスで13年。メスの方が大型になる。
産卵期は北太平洋では1月から2月。水深600m~900mで産卵する。
写真を見てわかるように表面がザラザラ。そのために「サメガレイ」の名がついとも言われる。?
鮮度の良いものは刺身が美味しいといわれる。(私はまだ食べてはいない)
白濁りした身にはたっぷり脂があり美味しい、が、脂が強く沢山は食べられない、と聞く。
写真は勿論刺身OK。でも姿を見れば生食は控えたい・・・気がする。
普通は煮付け。身のしとやかさと脂身が最高。非常に旨い魚である。
子持ちの時期を待ちわびている人もいる。
そのほかの料理はフライ、ムニエル。
皮は捨てると聞くが、カリカリに焼くと良いつまみになると言う人もいた。
顔のアップである。
でもカレイ類は不思議だ。生まれたときは普通の魚のように両側に目がある。
成長につれ片側に移動し、表側に2つ揃うという。
本当に不思議!
Filed Under (ハタハタ) by suisan on 16-12-2008
Tagged Under : ハタハタ
タラ、ナメタガレイと来たらハタハタ。冬の今が旬の魚である。
ハタハタ(スズキ目ハタハタ科)秋田県産、盛岡水産入荷。
「田清水産の魚」では10月17日に紹介したが、旬の今、改めて紹介しょう。
太平洋北部、特に日本海、オホーツク海、アリューシャン列島近海の水深0m~550m位までの泥砂底に生息する深海魚。
昼は砂や泥に埋まって目や背びれだけ出して隠れ、夜行動する。
体長20cm位になり、尾びれ胸びれ特に胸びれが大きく浮き袋がない。
別名「カミナリウオ」秋田では雷が鳴る11月頃獲れるのでそう呼ぶ。
漢字では「魚」に「神」、もしくは「魚」に「雷」と書いてハタハタと読む。
又、日本海の荒海の中、獲りに行くことが多いことから「波多波多」とも書く。
北日本海では底引き網で獲られていたことなどから量が激減した。
そのため漁獲規制や孵化・放流事業など行われ、近年回復傾向にある。
食べ方は塩焼き、田楽、ハタハタ汁や鍋、ハタハタ寿司など。
ウロコがなく扱いやすく食べやすい。
塩焼きも一夜干しにすれば最高。
鳥取県方面では刺身にするところも多いようだ。多くは煮付けにすると言う。
秋田県では湯通してポン酢や生醤油で食べることもあるようだ。でも1番は「しょっつる鍋」。
鮮度の良いものは3枚に卸し、酢〆にすると美味しい。ハタハタ寿司は最高だ。
ハタハタといえば「ブリッコ(卵巣)」
普通卵巣は未成熟のものが旨い。秋田では成熟した殻の硬いものが好まれるみたいだ。
口に含みガムのように噛み、エキスだけを味わい皮の部分は吐き出す。
このブリッコが無ければハタハタは人気が無くなる。ブリッコがハタハタの価格を引き上げていると言っても過言ではない。
それほど美味しいと言う。
Filed Under (ナメタガレイ(ババガレイ), 未分類) by suisan on 15-12-2008
FC2ブログでは10月20日に紹介したナメタガレイ。
本名ババガレイ→失礼な名前。(カレイ目カレイ科ババガレイ属)三陸ではナメタガレイ。
日本海各地と駿河湾以北の太平洋側に分布。
水深50m~450mの海底の岩礁域に生息。
他のカレイ類は砂泥底を好むがナメタガレイは例外。
一般に北海道の太平洋側に生息している群れは11月ごろから三陸沖に移動し水深100mぐらいの浅い海で産卵。
他のカレイと同じように、生まれたては両側に目がついている。
生まれて20日目ぐらいから目の移動が始まり、片側に集まり成魚となる。
餌はゴカイ、エビ、クモヒトデ類など小さな口で小動物を捕食。
名前の由来は「ぬめりが強く汚い」「顔のシミが老婆のようだ」から来ているとか?
三陸の年越しには欠かせない食材。12月中頃、ちょうど今頃から高騰してくる。
料理はほとんど煮つけ。鮮度が良ければ(盛岡の市場には稀に活で入荷ある)刺身も旨いと聞く。
子持ちナメタガレイの煮付けは、身が絹のように滑らかで子も旨みたっぷりで美味しい。
特にエンガワの脂身とゼラチン質はコラーゲンの宝庫。絶品。
そのほかに「ナメタ干し」。三陸ではこの時期から見え始める。
年配の方はホンカン(硬く干したもの)が好むみたいだ。
個人的には独特の臭いが苦手である。
あぶりながら身をむしり取り酒のつまみに・・・最高と言う方が多い。
写真上2枚は北海道産、盛岡水産入荷。
ナメタ干しは岩手魚類より。
Filed Under (タラ) by suisan on 13-12-2008
マダラ(真鱈、タラ目タラ科マダラ属)青森県大間産。
以前のブログ「田清水産の魚」では9月5日に紹介した。
北太平洋に広く分布。日本海側では朝鮮半島から北、太平洋側では茨城県以北に生息。
沿岸から大陸棚斜面の底近くで生活している。夏場は水深800m程の深海から、冬場にはやや浅瀬に移動する。
産卵は12月から3月。1尾のメスから産卵数は数十万から数百万と言われ、魚類の中では多い部類。
成長できるのはほんのわずか。1年で20cm程に成長。
成魚は1mを超え、体色は褐色。背中にはまだら模様がある。
下顎には1本のヒゲがあり、背びれが3つ、尻ビレが2つに分かれる。
マダラは日本に分布するタラ類3種の中で最大種である。
食性は肉食、貝類、頭足類、甲殻類、小魚など捕食。
料理としては鮮度が良ければ刺身、淡白な白身で昆布締めが合う。ただ寄生虫がいるので注意。
通常は鍋材。ムニエルやフライなど。私は湯煮にしてポン酢をかけ食べるのが好きである。
そのほかにマダラはオスの白子、メスのタラコ、干した棒ダラ、胃袋を使ったタラチャンジャといろいろ美味しいものがある。
今年はマダラの入荷が少なく高騰している。
一説に寄れば、岩手県と青森県境沖に「なべ漁場」がある。
青森県ははえ縄漁を禁じているが岩手県はその規制がない。
この「なべ漁場」はどちらの県に属するのかで裁判となっている。
その影響で入荷が少ない、と言う人もいる。
どちらにせよ、今の時期マダラが高いのは困る。特に「タラ白子(タラキク)」。
家庭の年越しの料理にも、又、ホテル、料亭の冬の味覚として定番になっている「タラ白子」な高騰しては味わえない。
もし、人為的高騰なら早急に解決を望む。
写真左に顎の下のヒゲが写っている。
血の嫌いな方、ごめんなさい。
頭の後ろを切り血を出すことにより血抜きがされ、身に生臭さ(血臭さ)がなくなる。
これが「活締め」である。ご了承ください。
Filed Under (ドンコ) by suisan on 12-12-2008
三陸名産ドンコ。本名エゾイソアイナメ(タラ目チゴダラ科チゴダラ属)岩手魚類入荷、岩手県宮古産。
北海道以南の太平洋に生息。200m近い深海から、浅い港の内側にもいる、不思議な魚である。
似ている魚にチゴダラがいる。
トゴダラは東京湾以南、東シナ海までの水深150mから650mとかなり深い場所で生息している。
目の大きさで見分けると言うがむずかしい。ドンコのほうが小さいと言う。
冒頭「三陸名産ドンコ」と記載したが三陸ではテトラポットの下とかで容易に釣る事ができる。
又、民宿ではドンコを使った料理が出される。
料理としては、鮮度の良いものは「ドンコの肝合え」
肝をつぶし醤油にいれ、白身の身を付け食べる。
ナメロウみたいに肝と身、それに味噌を加えたたく。
酒の友として最高。
他には塩焼き、鍋。簡単なものは味噌汁。
昔、三陸の民宿に宿泊したときは「丸1尾焼き」をサービスしてくれた。
みそ焼きである。最高に美味しかったことが思い出される。
三陸では年中見られるドンコではあるが、寒くなると余計美味しそうに見える。
可愛い顔である。
全身がぬめぬめしているが、鮮度の良い証。
最大で40cmほどになると言うが写真のドンコもかなり良いサイズである。
明日は土曜日。面白い魚にあえればいいなー。
Filed Under (ホウボウ) by suisan on 11-12-2008
ホウボウ(カサゴ目ホウボウ科ホウボウ属)築地より盛岡水産経由。兵庫県淡路産。
北海道南部以南から黄海、東シナ海、南シナ海まで分布。
水深100~200mほどの砂泥底に多く生息。生息域は浅い海から600mの深海に達することもある。
砂泥底を歩くように歩き、砂に潜った獲物を探る。肉食性でエビ、カニ、小魚など捕食する。
カナガシラと良く間違えられるが、ホウボウは胸ヒレがあざやかなコバルトグリーン。カナガシラはただ赤いだけ。
また、近海のホウボウ科では一番大きく40cmぐらいになると言う。
旬は秋から冬。寒くなれば脂がのってくる。
鮮度が良ければ勿論刺身。鯛ににた身質で甘みがあり絶品。
椀だねにも最適。上品でコクのある旨みが最高。
その他には塩焼き、鍋など。ブイヤベースには必要な食材である。
頭が大きく歩留まりが悪いのが玉に傷。
浮き袋を収縮させ「グーグー」と鳴く。ホウボウという和名は泣き声からつけられたと言う説もある。
写真上のタイも兵庫県淡路産。
Filed Under (モウカの星) by suisan on 09-12-2008
以前fc2ブログ「田清水産の魚」にて5月8日に紹介した「モウカの星」
モウカザメ(毛鹿鮫、ネズミザメ目ネズミザメ科)の心臓。
モウカザメは全長3m。英名はサーモンシャーク。地域によってはカドザメとも呼ばれている。
太平洋北部に生息。日本では九州、四国以北からオホーツク海など寒冷な環境を好む。
サケやニシンを捕食することでも有名。亜寒帯海域では(他のサメがいないため)天敵はいない。
回遊によってはハワイ沖まで南下した記録がある。
特殊な筋肉系、循環系により体温を海水温より高く保ち、高速遊泳を行う。
そのモウカザメの心臓を「モウカの星」呼ぶ。
外側の膜を剥がし、薄くスライスして刺身で食べる。ニンニク醤油やショウガ醤油で食べる。
勿論鮮度が良くなければならない。
ほかに酢味噌が合うようだ。刺身がいやな方はスライスして塩焼き。食感がたまらない。
血抜きを行うことを忘れずに。
モウカザメの身は白身でタンパク、クセがない。
かまぼこには利用されずに、煮物、焼き物、揚げ物などに用いられ、惣菜用の魚。
ヒレは加工され「ふかひれ」になる。
写真は昨日、12月8日(月)午前6時51分の仲卸売り場。
普段なら買出し人いるはずなのに、買出し人の姿が見えず。
寂しいかぎりだ。
Filed Under (ギンタラ) by suisan on 08-12-2008
ギンタラ(銀鱈、カサゴ目ギンタラ科)
北海道噴火湾以北、ベーリング海、南カルフォルニア。
水深300m~600mの深海に生息。
体長1mほどの深海魚では大型の部類。
タラとあるがアイナメやホッケに近い魚である。
冬に産卵し、孵化した稚魚は浅い海で生活するが、成長につれ深海に移動。
肉食性で魚類、甲殻類、頭足類など何でも食べる。
寿命は20年以上と見られる。
ほとんどのものはアラスカやカナダなどからの輸入。近海ものはマレ。
料理としては、塩焼き、西京焼き、粕漬け、フライ、ムニエル、そして煮つけ。
クセも臭いもない白濁した白身。皮も旨い。
私もギンダラは大好きだが、高価で沢山は食べれない。
写真はカナダ、産養殖。生食可能との事。
刺身はマグロのオオトロを思わせる大量の脂で口の中で解けそうになる。
甘みと旨みがあるが、あまり多くは食べられないが、非常に美味しい。
顔のアップ。
Filed Under (ケガニ他) by suisan on 06-12-2008
毎日ブログネタを探し市場の中を歩いている。
今日はこんな小さいのに・・・・。
卵を抱いた「ケガニ」を見つけた。(バックはミズガレイ)
ケガニのメスは交尾後に産卵し、生んだ卵を他のカニと同じように腹脚に抱えて保護する。
ただしケガニは孵化するまで1年かかり、隔年で産卵する。
当然、隔年でしか脱皮できない。そのためオスより成長が遅い。
1年も卵を保護しなければならない事など、繁殖力も低く、乱獲されるとなかなか数が増えない。
以前、乱獲した結果漁獲量が減って高値となる。
特に年末はカニの値段が高騰する。
きれいな小鯛が見えたので撮影。
焼きモロコもついでに!