Filed Under (ハッカク(トクビレ)) by suisan on 14-01-2009
Tagged Under : トクビレ
fc2ブログ「田清水産の魚」では昨年9月16日に掲載。
トクビレ(特鰭)、一般的には「ハッカク(八角)」カサゴ目トクビレ科トクビレ属)盛岡水産入荷、岩手県・宮古産。
日本海側は島根県浜田、朝鮮半島東部以北、北海道、サハリン西方タタール湾まで。
太平洋側は相模湾以北からオホーツク海まで分布。
交尾して産卵期は10月~11月。深海性で海底のゴカイやユムシを捕食。
下顎が極端に小さく海底の餌を捕食しやすくなっている。
最大でオス50cm前後、メス35cm前後。北海道の地魚である。(「トクビレ」の名は富山県)
厳寒の時期は高値、特にオスは引き合いが強い。
ウロコがエビやカニのように硬いが、気にせず三枚に卸し皮をはぎ取る。
白濁りした身は脂が混ざり、甘みが広がり旨い刺身である。
魚屋さんになりたての頃、小樽の寿司街で初めて見たときは食がすすまなかった。今考えるともったいなかったと思う。
刺身の他には塩焼き。
頭から半割りにして塩焼き、肝と味噌をといての付け焼き(北海道では軍艦焼き)、洋風だはブイヤベースなど最高。
10月に一夜漬けを造り焼いて食べた。独特の臭み?が多少残ったが時期的なものか?
小さいと食べる箇所が少ない。見たらなるべく大きいものうを購入したほうが良い。
Filed Under (ホッキ(ウバガイ)) by suisan on 13-01-2009
Tagged Under : ウバガイ
ウバガイ(マルスダレガイ目バカガイ科の一種)
一般にはホッキガイ。ウバガイは北海道の方言か?
漢字では北寄貝、北帰貝など。
日本海北部と茨城県以北の太平洋、シベリア沿岸まで分布し、外洋に面した浅い海の砂底に生息。
産卵期は南ほど早く4月ごろ、北海道では夏。
市場の入荷は北海道産と福島産が多い。写真は北海道産。
福島・茨城産は薄茶色からクリーム色。大きいも物で黒い物もあるが北海道産ほでではない。
関東以南の寿司にはアカガイが使用されることが多いが、東北以北はホッキガイが多い。
身をはずし、開き軽く湯通しすると赤紫色になる。勿論生でも良いが熱を通すことで甘みや旨みが増す。(一般的)
私個人はやはり「生」が一番。
写真のように大きいものは身に厚みがあり歯ごたえ、旨みが申し分ない。
柱も旨い。ヒモは湯をくぐらせ掃除して身に添える。貝特有の旨みがある。
刺身の他には酒蒸し、バター焼きなど。火を入れすぎると硬くなる。
火を入れすぎると硬くなるのは「ハマグリ」も同じ。
先日、盛岡の某ホテルで頂いた「ハマグリのお吸い」格別な火加減だった。
勿論、千葉県産の「ハマグリ」。
やわらかくも無く、硬くも無く、さすが高級ホテルの調理人と感心した。
写真は大きいものは茨城・鹿島灘産、小さいほうは千葉県産。
大きい方は焼いてもうまそうだ。
Filed Under (ボタンエビ) by suisan on 07-01-2009
Tagged Under : ボタンエビ
ボタンエビ(甲殻類十脚目抱卵亜目タラバエビ科タラバエビ属)千葉県産、盛岡水産入荷。
日本特産の種で北海道内浦湾から土佐湾にかけて水深300m~500m程の深海に棲息。
(仙台湾から東シナ海まで棲息との本もある)
築地には銚子沖、駿河湾、熊野灘などより入荷するが量は少ない。
量が少ないのでいつしか「ボタンエビ」の名は「トヤマエビ」にとられてしまったがこちらが本来の「ボタンエビ」
我々も含め「オレンジ色なため色のさめたボタンエビだ」と思う魚屋のほうが多い。
再度確認するがこちらが本物の「ボタンエビ」
10月から5月にかけて底引き網やエビカゴ漁で捕獲されるが、駿河湾ではカゴ漁は禁止となっている。
産卵して次代へ子孫を残す能力が低いための処置である。それほど希少なエビである。
雄性先熟でまずオス、成長後にメスとなるため大型は全てメスである。
食べてみたが非常に美味しい。身は柔らかすぎず、噛むとプリッとして甘みが広がる。
頭の部分のミソも甘くなんともいえない旨さである。軽く焼いて食べるば尚、美味しい。
こちらは「トヤマエビ」(冷凍)
福井県以北の日本海側、北海道以北に棲息。ロシアからの輸入が多い。
和名の「トヤマ」は最初に研究採取されたのが富山湾であっためで、漁獲量は北海道がダントツ。
こちらも「ボタンエビ」と同じように、孵化して2~3年ぐらいはオスで4年くらいでメスに性転換する。
どちらも卵も美味しい。でも、なかなか卵まで使える板前さんも少なくなったのかな?
ボタンエビの卵。
盛岡の老舗「阿部魚店」やフェザンの田清魚店(隣の回転鮨清次郎)が購入。
食べてみたい方は清次郎フェザン店にて「千葉県産のボタンエビ」と指名してください。
お・は・や・め・に!
Filed Under (ブリ) by suisan on 24-12-2008
Tagged Under : 氷見のブリ
岩手魚類に入荷した「氷見のブリ」
晩秋から初冬にかけ、富山湾では雷鳴とともにシケに見舞われる。
これを地元では「ブリお越し」と呼ぶ。
この時期富山湾沖で獲れるブリは、最も油が乗っておいしく、「寒ブリ」と呼ばれ珍重される。
富山湾は能登半島と北陸地方北東部に位置する湾で、日本海では最大の外洋性内湾である。
その根元に氷見市がある。
富山湾は海岸沿いに浅い部分はほとんどなく、急に海底に向かって落ち込んでいて、湾の大部分の深さは300m以上に及ぶ。
一番深い部分で1.000mを超える深さがある。
又、入善沖の海底には10.000年前の森林の立ち木がそのまま残された海底林がある。
水深300mより深い部分には冷たい海を好む魚類と、300mより浅い表層部では対馬海流が湾に入って来るため温暖な海を好む魚類がすんでいる。
それに加え黒部川など多くの河川が森からの栄養を海底に送りこむため、多くの魚が繁殖できる豊かな湾である。
この湾で獲れたブリはまさしく「最高級のブリ」である。
Filed Under (フグ) by suisan on 19-12-2008
Tagged Under : ショウサイフグ
ショウサイフグ(フグ目フグ科トラフグ属)石川県産、築地より盛岡水産経由。
東北以南の各地、黄海から南シナ海に生息。地方名で「ナメラ」その他いろいろな呼び名がある。
フグの中ではマフグとともに安い方である。安いといってもフグはフグである。
フグにはテトロドトキシンがあり、ショウサイフグは卵巣、肝臓は猛毒、皮膚と腸は強毒。筋肉は弱毒、精巣は無毒。
ふぐ料理は専門家に調理してもらったほうが絶対によい。
料理は刺身、焼き物、から揚げ、一夜干し、鍋、味噌汁などである。
刺身はトラフグより水気があるので布巾などで包み寝かせたほうが良い。
1番合う料理は鍋。非常に美味しい。味噌汁も旨い。
名前の由来→フグ「河豚」の漢字は、中国には毒の弱い淡水フグがいて食べたら、豚ほど美味しかったので「河豚」になったとか?(フグの語源は諸説があり定説がない)
ショウサイフグの顔。
Filed Under (ハタハタ) by suisan on 16-12-2008
Tagged Under : ハタハタ
タラ、ナメタガレイと来たらハタハタ。冬の今が旬の魚である。
ハタハタ(スズキ目ハタハタ科)秋田県産、盛岡水産入荷。
「田清水産の魚」では10月17日に紹介したが、旬の今、改めて紹介しょう。
太平洋北部、特に日本海、オホーツク海、アリューシャン列島近海の水深0m~550m位までの泥砂底に生息する深海魚。
昼は砂や泥に埋まって目や背びれだけ出して隠れ、夜行動する。
体長20cm位になり、尾びれ胸びれ特に胸びれが大きく浮き袋がない。
別名「カミナリウオ」秋田では雷が鳴る11月頃獲れるのでそう呼ぶ。
漢字では「魚」に「神」、もしくは「魚」に「雷」と書いてハタハタと読む。
又、日本海の荒海の中、獲りに行くことが多いことから「波多波多」とも書く。
北日本海では底引き網で獲られていたことなどから量が激減した。
そのため漁獲規制や孵化・放流事業など行われ、近年回復傾向にある。
食べ方は塩焼き、田楽、ハタハタ汁や鍋、ハタハタ寿司など。
ウロコがなく扱いやすく食べやすい。
塩焼きも一夜干しにすれば最高。
鳥取県方面では刺身にするところも多いようだ。多くは煮付けにすると言う。
秋田県では湯通してポン酢や生醤油で食べることもあるようだ。でも1番は「しょっつる鍋」。
鮮度の良いものは3枚に卸し、酢〆にすると美味しい。ハタハタ寿司は最高だ。
ハタハタといえば「ブリッコ(卵巣)」
普通卵巣は未成熟のものが旨い。秋田では成熟した殻の硬いものが好まれるみたいだ。
口に含みガムのように噛み、エキスだけを味わい皮の部分は吐き出す。
このブリッコが無ければハタハタは人気が無くなる。ブリッコがハタハタの価格を引き上げていると言っても過言ではない。
それほど美味しいと言う。
Filed Under (ホウボウ) by suisan on 11-12-2008
ホウボウ(カサゴ目ホウボウ科ホウボウ属)築地より盛岡水産経由。兵庫県淡路産。
北海道南部以南から黄海、東シナ海、南シナ海まで分布。
水深100~200mほどの砂泥底に多く生息。生息域は浅い海から600mの深海に達することもある。
砂泥底を歩くように歩き、砂に潜った獲物を探る。肉食性でエビ、カニ、小魚など捕食する。
カナガシラと良く間違えられるが、ホウボウは胸ヒレがあざやかなコバルトグリーン。カナガシラはただ赤いだけ。
また、近海のホウボウ科では一番大きく40cmぐらいになると言う。
旬は秋から冬。寒くなれば脂がのってくる。
鮮度が良ければ勿論刺身。鯛ににた身質で甘みがあり絶品。
椀だねにも最適。上品でコクのある旨みが最高。
その他には塩焼き、鍋など。ブイヤベースには必要な食材である。
頭が大きく歩留まりが悪いのが玉に傷。
浮き袋を収縮させ「グーグー」と鳴く。ホウボウという和名は泣き声からつけられたと言う説もある。
写真上のタイも兵庫県淡路産。