コウイカ

Filed Under (コウイカ) by suisan on 16-02-2009

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コウイカ(コウイカ目コウイカ科)岩手魚類入荷、千葉県産。

関東以南、東シナ海、南シナ海に分布。水深10m~100mの砂泥の底近くで、小魚や甲殻類など捕食。

春から初夏に浅場に来て藻などに産卵。そして死んでしまう。寿命は一年。最大で20cmぐらい。

浅場で孵化した子イカはその近辺で成長。夏には「新イカ」とし利用される。

漢字で「甲烏賊」、体内に貝殻の痕跡である甲を持つ。

関東では大量に墨をはくことから「墨烏賊」。瀬戸内では甲の先端に針状の突起物があるため「針烏賊」と呼ばれる。

江戸前寿司、天ぷらには無くてはならない食材。旬は冬。

当然、刺身。寒い時期は特に身が厚く、甘みがあって美味しい。歯ごたえもすばらしい。

天ぷらも最上の味。

江戸前寿司では「新イカ」と「新子」は初夏の風物詩。kg2万円もの値が付くこともある。

新イカは一尾で一かんの物が好まれる。

三陸はスルメイカが主流なため、関東で修行したすし屋さんで無ければ好んでは購入しないのが残念。

凛々しい目なので写真を添えた。

 

そのほかに盛岡水産には「佐賀県産の養殖フグミガキ」が入荷。

内陸部で人口海水で育ったトラフグである。

 

春の風物詩「イサザ」も入荷してきた。

外は雪ではあるが確実に春はそこまで来ている。

「紅瞳」の煮魚

Filed Under (アカムツ) by suisan on 14-02-2009

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個人的なことではあるが、2月10日久々に温泉に行って来た。盛岡市郊外の鶯宿温泉。

「大きくなっても旅館です」をキャッチフレーズに、地元、他県から集客している元気な温泉旅館さんである。

そこで意外、と言っては語弊があるが「赤ムツの煮物」をいただいた。

しかも長崎ブランドの「紅瞳」。

1月、2月は「ズワイガニ」と「豚しゃぶ」がメーン献立。

   

それに、この煮魚とステーキを追加料理のようにご馳走になったから大変。太鼓腹が満腹で悲鳴を上げた。

こちらの旅館の「煮魚」は格別に旨い。ファンである。それが「アカムツ」とは、尚、美味しい。

程よい魚の脂と煮汁の味が調和して格別な旨さである。さらし葱と根生姜が魚の味を引き出す。なんともいえない。

ちょうど2月7日このブログで「アカムツ」を紹介し、「長崎には紅瞳たるブランドがある」と紹介した。

その「紅瞳」を大好きな温泉旅館で食べるとは「感動」意外にない。

調理長様、本当にご馳走様でした。

写真上は「紅瞳」の煮魚。2段目左がズワイガニ、右は有名ブランド豚しゃぶ。

下はお造りと蛤の土瓶蒸し。奥に煮物。

その他に先付け、茶碗蒸し。食事は蛸せいろ蒸しご飯、香の物、フルーツなど。(順不同)

ムツ

Filed Under (ムツ) by suisan on 13-02-2009

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箱には「クロムツ」と記入があるがおそらく「ムツ」。

ムツ(スズキ目ムツ科ムツ属・クロムツも同じ)長崎県佐世保産、盛岡水産入荷。

生息域は北海道以南、鳥島、東シナ海。インド洋とアフリカ南部沿岸の大西洋にも分布。

(クロムツは北海道以南、本州中部太平洋岸。ムツより北に分布している。)

どちらも水深200m~700mの岩礁域に生息し、小魚や甲殻類、頭足類などを捕食。肉食性である。

又、成魚で60cmぐらい、最大で1mを超えるものもいる。産卵期も10月から3月と同様である。

料理も刺身、塩焼き、鍋、煮付け、ムニエルなど。大きい方が脂があり美味しい。

旬は冬。「寒ムツ」と称して非常に美味しい。卵巣も旨い。

後ろの青紙が目に透けているのではない。コバルトグリーンの目が鮮度を物語っている。

余談だが、江戸時代に仙台伊達藩は陸奥守であったため、「むつ」と呼ぶことをはばかって「ロクノウオ」と呼んだ。

ムツ(六)→ロク。

モロトゲアカエビ

Filed Under (モロトゲアカエビ) by suisan on 12-02-2009

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モロトゲアカエビ(十脚目タラバエビ科モロトゲエビ属)北海道産、岩手魚類入荷。

一般には「シマエビ」や「スジエビ」と呼ばれている。

福井県以北の日本海。北海道西部、サハリンなどに分布。水深180m~530mの泥砂底に生息。

珍しくはないが漁獲量が少ない。産卵数が少なく再生能力が低いのでは。専門の漁はないようだ。

書物によれば、タラバエビ共通の特徴として、オスからメスへ性転換する。

「隣接的雌雄同体 雄性先熟」→稚エビから雄として成熟し、機能した直後から性転換が始まる。

精巣その他の雄性生殖器官が退化し、変わって卵巣およびその他の雌性生殖器官が発達し雌として成熟する。

タラバエビ科は複雑なエビである。ただしこのエビは生命力は強いようであるし、鮮度落ちが一番遅いようである。

味はアマエビよりあっさりしていて、味のバランスはタラバエビの中では一番旨い。

生食、焼き、唐揚げなど美味しく食べられる。

最大で13cmぐらいまで成長する。

 

鰹が入荷している。

静岡や三重、千葉などに水揚げされているが漁場は小笠原諸島近辺。

写真は6.8kg。静岡県に水揚げされたものである。

カイワリ

Filed Under (カイワリ) by suisan on 10-02-2009

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盛岡市市場では他の魚と混じって入荷があるものの、「カイワリ」だけの入荷が少ない。

カイワリ(スズキ目アジ科カイワリ属)鹿児島県産、岩手魚類入荷。

太平洋側は金華山以南、日本海側は能登半島以南の日本各地から南西諸島、台湾、ジャワ島海域、南アフリカ海域に分布。

やや深い、どちらかと言えば砂泥底に生息。小魚、甲殻類など捕食。最大で40cmぐらいになるという。

大きな魚などに随行し身を守る姿がかわいらしい。

アジに比べ扁平であるが体の高低が高い。側線は強く湾曲するが第15.16軟条下からは直走する。

顔はシマアジに似ている。

料理は刺し身や塩焼き、煮つけ、ムニエル、フライなど。

刺身は「非常に美味しい」との評価。大きければ大きいほど旨い。身がきめ細かく脂身、旨みとすばらしい。

アジの仲間で一番旨いのでは、の声も聞かれる。

塩焼きも絹のようなしっとりとした味わい。

カイワリは水揚げが少ないため知名度が少ない。上記したように小魚が他の魚に混ざって入荷するので盛岡の市場でも鼻にもかけられなかったが、魚を知っている人ほど「カイワリ」の評価が高い。

産卵は秋、9月から11月ごろ。

清次郎イオン店や盛岡市山岸のすし屋さんが購入してくれた。

「旬は夏、時期的に?でも鮮度が良いので買います」ーまいどあり!

サトウガイ

Filed Under (サトウガイ) by suisan on 09-02-2009

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サトウガイ(フネガイ目フネガイ科)市場では「本玉(アカガイ)」に対し「バチダマ」と呼ばれる。

太平洋側は九十九里浜以南、日本海側は能登半島以南から九州まで分布。(写真は韓国産)

水深10m~30mの泥砂底に生息。

サトウガイのサトウは「砂糖」ではなく江戸末期のイギリス駐日公使アーネスト・サトーに献名されたものである。

アカガイは蝶つがいからの放射ろくが42本に対し、サトウガイは38本。近種のサルボウは32本、で見分ける。

アカガイは江戸前寿司には欠かせない食材であった(東京湾で沢山のアカガイが獲れた)。

海の汚染とともにアカガイが不漁となり高価になっため、サトウガイを代用に使うことが多くなった。

身は、アカガイより少し赤みが薄いが味はさほどの違いはないと思う。寿司種、刺身、酢の物、酒蒸し、煮付けなど。

(缶詰めはアカガイではなくサルボウが原料)

アカガイ・サトウガイ・サルボウなど、血液中の色素に人間と同じヘモグロビンを持っているため身が赤い。

 

そのほか田清水産には「エチオピア(宮城県産)」や宮古産の「バラメヌケ」など入荷していた。

   

アカムツ

Filed Under (アカムツ) by suisan on 07-02-2009

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アカムツ(スズキ目ホタルジャコ科アカムツ属)長崎県産、岩手魚類入荷。

太平洋側は福島県以南、日本海側は新潟県以南、鹿児島。東部インド洋、西太平洋に分布。

「ムツ」とは「脂っこい」との意味。アカムツ=赤い脂っこい魚。

水深100m~200mの深海に生息。甲殻類、エビ類、小魚など捕食。全長40cmぐらいまで成長する。

島根県地方では流れのある(瀬)岩礁域より泥底域に生息している方が脂があって美味しいとか。

泥底で育ったものはウロコが取れやすく魚全体が白い。これは脂がのり、ウロコが取れやすくなっているためである。

魚全体に脂がある魚。鮮度が良ければ当然刺身が絶品。

三枚卸しにして皮をつけ霜皮造り。皮のすぐ下の脂身が最高にうまい。「白身のトロ」みたいだ。

後は煮付け。私は煮魚では一番旨いと思う。柔らかく、コクのある身は最高な味。

他に塩焼きとか干しものなども美味。

美しい魚である。

ただ高価な魚なため頻繁には食べれない。

長崎県対馬では「紅瞳(べにひとみ)」というブランド名をつけ売り出しているとか。

 日本海沿岸では「ノドクロ」と呼ばれている。口の中が黒いから。

アラ

Filed Under (アラ) by suisan on 06-02-2009

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アラ(スズキ目ハタ科アラ属)長崎県産、岩手魚類入荷。

一見見るとセイゴ?と思ったが良く見るとアラの子。

高知県などでは「沖スズキ」の名もある。

南日本からフィリピンまで分布。乱獲により今や「幻の魚」となっている。

水深100m~200mのやや深い岩礁域に生息。最大で1mを越す大物も存在する。

写真は30cmぐらい1kgにも達しない「小アラ」である。

勿論大きい方がうまいが、小アラとて侮れない旨さがある。

刺身で試食してみた。アラ特有のやや固めの白身。脂もありなんともいえぬ旨みがある。

他に塩焼き、ポワレなど。当然鍋材料としても良い。

見づらいがエラに3本の棘があるのが特徴でもある。

キンメダイ

Filed Under (キンメダイ) by suisan on 05-02-2009

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昨日はナンヨウキンメダイ(平金目)を紹介した。後、先になるが今日はキンメダイ。

漢字で「金目鯛」(キンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属)

北海道釧路沖以南の太平洋。(一説には茨城県沖から南とも言われる)

また北太平洋、太平洋、インド洋、大西洋、地中海など全世界の水深100m~800mの深海の岩礁地帯に棲息。

夜間は海面近くまで浮上する。イワシなどの魚類やイカ、エビ類を捕食。

体長50cmぐらいに成長し、寿命は14年以上とも言われる。

漁獲高は静岡、高知、千葉と続く。ほとんどは関東方面で消費されているとのこと。

透通った目が特徴。

旬は12月から3月であるが、年中脂がのり、美味しい魚である。

料理は刺身、煮魚、鍋、漬け魚などいろいろ楽しめる。

以前、担当していた温泉旅館の献立に「金目鯛のしゃぶしゃぶ」を提案したら、非常に好評で数年つずけて献立にいれていただいた記憶がある。(その頃は盛岡では金目鯛は煮魚ぐらいにしか扱われていなかった。)

盛岡でも今は刺身やしゃぶしゃぶは当たり前となっている。

刺身は霜皮造りが良い。特に北国では寒い冬に「赤い色の魚」は温まる気がする。

伊豆に旅行した際は「金目鯛の干物」を多く見かけ、ホテルの食事にも(朝食)だされ、美味しかったことを覚えている。

大きいものは煮魚。小骨が少なく子供老人でも食べやすい魚である。

外洋で早く泳ぐために尾の形も鋭利だ。

寿命が長いということは繁殖能力が弱いのではないか。乱獲を避けたい魚である。

ナンヨウキンメ

Filed Under (ナンヨウキンメ) by suisan on 04-02-2009

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ナンヨウキンメ(キンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属)静岡県産、岩手魚類入荷。

市場では「ヒラキンメ」と呼ばれる。

日本近海では南日本以南の太平洋側。世界では北大西洋、地中海、インド洋、太平洋、東シナ海など広く分布。

水深200m~600mの深海に生息。最大で70cmぐらいになる。

キンメダイより南に分布するので「南洋金目」?

キンメダイに良く似ているが体高(背中から腹までの高さ)が高く、体幅は(正面から見た体の幅)が薄い。

ウロコはキンメダイより大きい。

料理もキンメダイの代用として食べられるが、キンメダイより脂が薄く、煮魚、塩焼きにしても物足りない。

刺身の味は上品な白身でなかなか旨い。が、刺身、しゃぶしゃぶもキンメダイより劣る。

ムニエルなどのほうが合う魚なのではないか?

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