キダイとモスソガイ

Filed Under (キダイ, モスソガイ) by suisan on 23-02-2009

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キダイ(スズキ目タイ科キダイ属)盛岡水産入荷。

レンコダイ(連子鯛)とも言う。

日本海本州中部以南。千葉県以南、東シナ海、台湾、オーストラリアまでの西太平洋に分布。(今日はなぜか山形県産)

体は側扁した楕円形で体色は赤っぽい、いや橙色に近い。マダイ、チダイより小さく40cmほど、体に青い小斑点がない。

顔は黄色み帯びている。

水深50~200mの海底付近を群れをつくり泳ぐ。肉食性で小魚、甲殻類、頭足類など食べる。

産卵期は初夏と秋。孵化から1・2年はメスが多いが、一部は性転換しオスになる。5歳を超える大型はオスが多くなる。

マダイより安値。沖合いの底引き網などで漁獲されるので、消費地にまでは時間がかかり鮮度が落ちてしまう。

一般には塩焼き。結婚式などで提供される「焼き鯛」はこの種が多い。

勿論、鮮度が良ければ(今日はOK)刺身。皮目をつけ霜皮造りのほうが旨い。

もっと小ぶりなものは(写真より)酢締めにして寿司など旨い。

後は干し物、笹漬け等。

盛岡の老舗の魚屋さんに購入してもらった。

 

モスソガイ(エゾバイ科)盛岡水産、青森県陸奥湾産。

煮た状態で流通しているので「煮ツブ」とよんでいる。

瀬戸内海以北北海道までの浅い海に分布。

漢字で「裳裾貝」。大きすぎる軟体が裾を引くずっているように見えるため。

以前は串に刺し「串ツブ」として流通していたが、最近は袋入れが多い。

おでんや串焼き(火は通っている)、酒蒸し、煮つぶ(味を付け直す)にして美味しい。

他のツブと違い軟体部分が多いので食べやすい。私も大好きなツブである。

余談だが、黒船のペリー提督が採取し持ち帰り、種を登録したので「ペルリツブ」の別名もある、とか。

田清グループ、「じゃん・まる」店が購入していった。(旧盛岡市場前にある)

ムツ

Filed Under (ムツ) by suisan on 13-02-2009

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箱には「クロムツ」と記入があるがおそらく「ムツ」。

ムツ(スズキ目ムツ科ムツ属・クロムツも同じ)長崎県佐世保産、盛岡水産入荷。

生息域は北海道以南、鳥島、東シナ海。インド洋とアフリカ南部沿岸の大西洋にも分布。

(クロムツは北海道以南、本州中部太平洋岸。ムツより北に分布している。)

どちらも水深200m~700mの岩礁域に生息し、小魚や甲殻類、頭足類などを捕食。肉食性である。

又、成魚で60cmぐらい、最大で1mを超えるものもいる。産卵期も10月から3月と同様である。

料理も刺身、塩焼き、鍋、煮付け、ムニエルなど。大きい方が脂があり美味しい。

旬は冬。「寒ムツ」と称して非常に美味しい。卵巣も旨い。

後ろの青紙が目に透けているのではない。コバルトグリーンの目が鮮度を物語っている。

余談だが、江戸時代に仙台伊達藩は陸奥守であったため、「むつ」と呼ぶことをはばかって「ロクノウオ」と呼んだ。

ムツ(六)→ロク。

モロトゲアカエビ

Filed Under (モロトゲアカエビ) by suisan on 12-02-2009

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モロトゲアカエビ(十脚目タラバエビ科モロトゲエビ属)北海道産、岩手魚類入荷。

一般には「シマエビ」や「スジエビ」と呼ばれている。

福井県以北の日本海。北海道西部、サハリンなどに分布。水深180m~530mの泥砂底に生息。

珍しくはないが漁獲量が少ない。産卵数が少なく再生能力が低いのでは。専門の漁はないようだ。

書物によれば、タラバエビ共通の特徴として、オスからメスへ性転換する。

「隣接的雌雄同体 雄性先熟」→稚エビから雄として成熟し、機能した直後から性転換が始まる。

精巣その他の雄性生殖器官が退化し、変わって卵巣およびその他の雌性生殖器官が発達し雌として成熟する。

タラバエビ科は複雑なエビである。ただしこのエビは生命力は強いようであるし、鮮度落ちが一番遅いようである。

味はアマエビよりあっさりしていて、味のバランスはタラバエビの中では一番旨い。

生食、焼き、唐揚げなど美味しく食べられる。

最大で13cmぐらいまで成長する。

 

鰹が入荷している。

静岡や三重、千葉などに水揚げされているが漁場は小笠原諸島近辺。

写真は6.8kg。静岡県に水揚げされたものである。

メイタガレイ

Filed Under (メイタガレイ) by suisan on 24-01-2009

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今日はメイタガレイ(カレイ目カレイ科メイタガレイ属)秋田県産、盛岡水産入荷。

北海道南部から日本沿岸、東シナ海北部まで分布。

大阪では人気があり時に高級魚。関東以北は並の魚としてあまり珍重しない。

目と目の間にトゲがあるため「目痛ガレイ」とか、目と目の間に板状のトゲがあり「目板ガレイ」と呼ばれる?。

その他には「マツバガレイ(体の模様から)」「びっき(蛙)ガレイ」など。

近種に「ナガレメイタガレイ」なるものがいる。姿かたちはそっくり。見た目では区別が難しい。「化メイタ」と呼ぶ地方もある。

参考に2枚の写真を。

上がメイタガレイ。身づらいが(写真をアップにしてください)魚体の裏側の肩の部分。1本線があるのがメイタ。

ナガレメイタはヒレから来た一本線と合流する、逆Yが見える。

料理もメイタガレイは鮮度のよいものを刺身にして食べると絶品とか。(私は食べ比べてはいない)

ナガレメイタは身が柔らくて刺身に向かない。

その他の料理は唐揚げ、煮付け、干物など。

どちらも熱を入れるとクセのある風味がでる。好き、嫌い二分される。臭みを取る料理方法がよい。

干すと臭みが消えよい味わいが楽しめる。

ホンメヌケとバラメヌケ

Filed Under (メヌケ) by suisan on 25-12-2008

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今年も残すところ一週間。年末のあわただしさも日、一日と増して来る。

いつもならブログは昼頃アップできるのだが、今は夕方になってしまう。

「あれ?今日は休み?」と思う方もいると思うが30日まで市場は休みなし。

力の限り続ける(ブログ)つもり。

今日は岩手魚類入荷の「ホンメヌケとバラメヌケ」(バラメヌケは昨日撮影)

ホンメヌケ(オオサガ、カサゴ目フサカサゴ科、メバル属)北国の魚であり、冬が美味しい魚でもある。

6mから8mぐらいになる大物もいる。今日は60cmぐらい、重さ3kgほどの若魚。

非常に高級な魚(特に今時期は高値)でなかなか庶民の口には入らない。

ただ味も値段通り一級品。ホテルとか料亭、すし屋さんなどが購入しているようだ。

料理は刺身、鍋もの、煮付けなど。

特に刺身はできれば皮を付けたまま、皮霜造りにすれば最高。

皮と身の間に脂身がありなんともいえない味わいがある。

昔、某ホテルで食した時は皮は引いてあったが、皮の千切りが添えてあったのを記憶している。

調理長に聞けば「皮を引けば何の白身かわからなくなる。皮を添えることによりメヌケとわかる」とのこと。

皮は皮で美味しかった。

鍋においては魚骨から出る出汁と、身、皮から出る脂身がとけ、非常に美味しい。

メヌケの鍋に勝る鍋はないと思う。

 

バラメヌケ(カサゴ目フサカサゴ科メバル属)一般に千葉銚子沖から南千島に分布。

ホンメヌケほどではないがやはり高級食材。(値段はホンメヌケの4分の3ほど)

こちらはあまり大きくならない。せいぜい50cmぐらいか?

写真は2.8kg。大きい方なのかも知れない。

頭を真上から見れば目と目の間に3本の褐色の帯があり、身体にも(特にエラ、体中央部)いくつかの斑点がある。

料理方法はホンメヌケと同じ。刺身、鍋、煮付けなど。

漢字で「薔薇目抜」?あざやかな赤い色の魚である。

モウカの星

Filed Under (モウカの星) by suisan on 09-12-2008

以前fc2ブログ「田清水産の魚」にて5月8日に紹介した「モウカの星」

モウカザメ(毛鹿鮫、ネズミザメ目ネズミザメ科)の心臓。

モウカザメは全長3m。英名はサーモンシャーク。地域によってはカドザメとも呼ばれている。

太平洋北部に生息。日本では九州、四国以北からオホーツク海など寒冷な環境を好む。

サケやニシンを捕食することでも有名。亜寒帯海域では(他のサメがいないため)天敵はいない。

回遊によってはハワイ沖まで南下した記録がある。

特殊な筋肉系、循環系により体温を海水温より高く保ち、高速遊泳を行う。

そのモウカザメの心臓を「モウカの星」呼ぶ。

外側の膜を剥がし、薄くスライスして刺身で食べる。ニンニク醤油やショウガ醤油で食べる。

勿論鮮度が良くなければならない。

ほかに酢味噌が合うようだ。刺身がいやな方はスライスして塩焼き。食感がたまらない。

血抜きを行うことを忘れずに。

モウカザメの身は白身でタンパク、クセがない。

かまぼこには利用されずに、煮物、焼き物、揚げ物などに用いられ、惣菜用の魚。

ヒレは加工され「ふかひれ」になる。 

 

写真は昨日、12月8日(月)午前6時51分の仲卸売り場。

普段なら買出し人いるはずなのに、買出し人の姿が見えず。

寂しいかぎりだ。

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