バカガイ(軟体動物門2枚貝網マルスダレガイ目バカガイ科)通称アオヤギ。北海道産、盛岡水産入荷。5月26日撮影。
サハリン、オホーツク海から九州まで。中国大陸沿岸。北海道以北物はエゾバイガイとされていたことがある。
潮間帯下部から水深30mぐらいまでの砂泥底にもぐり、水管を出し、プランクトンや有機物の死骸などを食べて棲息している。
産卵期は早春から夏、北海道は夏から初夏。北海道での寿命は10年前後。
通常、千葉県産が多く、この日は北海道産が大量に入荷したので写真に収め、5月29日には柱を撮影。今日紹介する。
バカガイ「馬鹿貝」は収穫してカマスなどに入れておくと舌を出し「ばかのようだ」とか、沢山獲れ「ばかみたい」、又、一晩で砂地の変化などで住む場所を変える「場替(ばしょがえ)」が訛りバカガイと言われるようになったとか?
舌(斧足)を使って砂に潜るのだがアサリやハマグリより早く潜ることができるし、危険を感じると飛び跳ねることもある。それだけ舌(斧足)が強い貝である。
アオヤギについては、千葉県市原市の地名で、貝の集積所があったことから「青柳」の名が付いたといわれる。
食材としては、舌(斧足)の部分と柱の部分とに分けて流通していることが多い。オレンジ色の舌(斧足)部分をシタキリ、柱の部分をコバシラ、大きい物をオオボシと呼ぶ。
料理としては、シタキリは刺身、酢の物、酢味噌合えなど。貝独特の歯ごたえと甘みが旨さを引き立てている。
コバシラ、オオボシは江戸前の天ぷらの掻き揚げに最高。
余談だが、千葉県産と北海道産と比べれば、北海道産のほうがはるかに安く、柱も大きい。(オオボシサイズでは千葉県産の半額ぐらいで手に入る)
微妙な味については、私は職人ではないのでなんともいえない。