アオリイカ(ツツイカ目ヤリイカ科)秋田県、盛岡水産。(千葉県産は岩手魚類に入荷)
ハワイ以西も西太平洋からインド洋の熱帯・温帯域に分布。
日本では北海道以南の沿岸、特に太平洋側は鹿島灘、日本海側は福井県西側以南に多い。
通常は深場に棲息するが、春から夏にかけて産卵のため海岸近くの浅場にやってきて、海藻や岩の隙間に豆の鞘のようなカンテン質な卵鞘を一箇所に固めて産卵する。
卵鞘の中にバクテリアがいて、魚が嫌がる物質を出しているようなので、卵が魚に食べられることがないようだ。
卵は20日ほどで孵化し、幼体は浅い海で小魚や甲殻類を捕食して成長。
夏には体長数cmの幼体が浅い海で漂い、15cmから20cm程まで成長し、冬には深場に移動する。
寿命は一年(鹿児島以北)で最大で(胴長)50cm位になるものもいる。
外見がバショウの葉に似ているので「バショウイカ」や藻場に産卵するので「モイカ」、九州では「ミズイカ」と呼ばれる。
旬は春から夏。
料理は勿論刺身、天ぷら材、干し物、焼き物など。高級イカの最高峰。値段も高値だが味も最高。
刺身にしたらこれほど旨いイカはないといっても良い。適度な弾力と甘み、噛み締めると旨い汁が浮き上がってくる。
紋甲イカなどより歩留まりが良い。
一夜干しや漬け汁に漬けた、漬け焼きも旨い。でもこの値段ならやはり刺身が良い。
ただ残念なのは、三陸は「スルメイカ」の宝庫。アオリイカ、モンゴイカを使える人が少ない。
今日は他に「千葉県産マトウダイ」や「秋田県産のイシダイの子供」が見えたので写真を添えよう。